読書の歴史から考える

日時:平成21年12月4日(金)
場所:関西学院大学
講師:和田 敦彦氏(早稲田大学 教育学部教授)
 最近とみに小さな文字が読みづらくなり一冊の本を読みきるのに従来の2倍も3倍もかかり次第に読む量も一段と少なくなってきたこの頃ですが、今回のテーマはいいタイミングであることから参加しました。現在米国での日本の書籍を一番多く蔵書しているのは米国議会図書館のおよそ1,164千冊で、戦前はおよそ32千冊とのことでした。そこで、この大量な書物を必要にしている人に旨く届けることが重要であるすなわち本と読者をつなぐ役割の人がいて初めて本の目的が達せられることになる。
 戦前からこのことに努められた角田柳作氏(早稲田出身)の米国の活動を話され多くの教え子から著名な日本語学者(ドナルド・キーン氏など)を輩出させ人です。
 次にデジタル・ライブラリは既にグーグルでは1500万冊がデジタル化されその中で日本の書物は古典籍を中心に30万冊がデジタル化されているが、これらの動きから慶応・早稲田などでは蔵書をデジタル化して行くとのことであるが、古典籍はタイトルが題箋、内題、尾題の三っがそれぞれ違ったり形態、綴じ方、材質など多様でデジタル化に膨大な時間がかかるとのこと。
 いずれにしても今後はネットから読書をする時代における本と読者をつなげる役割を誰がするのか、また図書館ではどう発信して行くのか考えなければいけない。
 老若男女いずれもパソコンで読書する時代はもう目の前です、後れないよう頑張ろう?