地域で命を支える

日 時 平成22年1月30日(土)
場 所 宝塚ホテル
講 師 鎌田 實氏(諏訪中央病院名誉院長)
 「地域で支えるみんなの命」を合言葉に、医療者と地域住民の
心の温かさをポイントとしたセミナーでした。
 氏は、人間の幸せや健康は、経済と同じで病むと一時的に精
神は下がっていくが、下がったものは必ず上がるものという信念
で対応されており、それには「温かさ」を心掛けることと強調され
ました。
 医者は病気を治すのが仕事と受け止められていますが、誰も病気にはなりたくないわけで、その予防に力をいれるため、病院勤務の合間に「健康講座」を開催したところ、地域に共感を呼び、我々も出来ることがあれば手伝いたいとボランティアが増加して、今ではこれが大きな地域力になっているとのことでした。
 また、あるガン患者(40才台の母親)の例を引き合いに出され、正直に「余命3ヶ月」と告知したところ、6ヶ月先の子供の卒業式に何としても出席してやりたいとの強い希望から、医療を越えてこれを見事に実現させた実話を披露され、人間は自分の困難を横に置いてでも、子供や家族のために力が出せるものだとのご教示をくださいました。
 嘘をつかず正直に、ショックを与えないような温かさをもって接することの大事さが、奇跡を起こすのだとのことでした。
 医療者やボランティアの対応や言葉は、各々の日々を、天国にも地獄にもするものとの感を強くいたしました。