「こよみ」を考える

日 時 平成22年2月23日(火)
場 所 TOYRO倶楽部
講 師 田辺眞人氏(園田学園女子大学名誉教授)
 「こよみ」は季節を表しているとも言えますが、この「季節」が
出来る原因は、太陽の周りを回る地球の公転面と、地球自身
が回転する自転の軸の微妙なズレによるものである由です。
 「季節」がいくつあるかと言えば『春・夏・秋・冬』と4つある
ことはもはや常識ですが、しかし「四季」という言葉自体が中国
から伝来してきたもので、日本には元々なかったそうです。
 たしかに、昔から日本には「あつさ、さむさも彼岸まで」という言葉があり、また信州の諏訪神社には『春宮』と『秋宮』しかありません。
 すなわち、日本には「はる」と「あき」が季節だったようですが、中国から「四季」が伝わり、結局「はる」の後半を「なつ(暑い→あつ→なつ)」とし、「あき」の後半を「ふゆ(凍てつく→ひえる→ひゆ→ふゆ)」として、今日の四季が出来上がったとのことでした。
 しかし同じ四季でも節目はというと、日本では「春分→夏至→秋分→冬至」が一般的ですが、元祖中国では「立春→立夏→立秋→立冬」となっているようで、これは日本が海に囲まれた島国であるのに対し、中国は大陸の国であり、水(海)は温まりにくいが、冷めにくいことから約1カ月半の体感差にあることが原因のようでした。
 各々の「風土」が、「文化」に深くかかわっているということでしょう。