弥生を迎え(平成22年3月1日)

ありもと@孟子です。。 みなさんこんばんは。。。

弥生(3月)です。
久々ぶりに月曜日に晴れてくれました。
ここ数週間、月曜といえば雨で、先週晴れたと思ったら和
歌山大学の猛禽調査のお手伝いで・・・
なかなか晴れた日の孟子に出会えずにいた早春2月でし
たが、3月を迎え、うららかな好天の孟子に出会いました。

ウグイスの囀りが谷中に響き渡っています。
単調な節回しですが、里山の春にはなくてはならない声で
す。

鉄塔のてっぺんにオオタカの♂が誇示止まりしています。
昨年からこの♂の誇示止まりの鉄塔が、3本ほど西に移
動しています。
おそらく営巣谷を変えたのでしょう。
下腹を突き出し、直立姿勢で、あたりを黄金の眼でキョロ
キョロ見回すさまは、「空の王者」の風格たっぷりです。

長兵衛 忠兵衛 長忠兵衛・・・
メジロが複雑な節回しで囀りはじめました。
2002年 3月11日
2003年 3月 2日
2004年 3月19日
2005年 3月12日
2006年 3月18日
2007年 3月 3日
2008年 3月 9日
2009年 2月15日
2010年 3月 1日
南紀地方ではもっと早くから囀り始めるメジロですが、孟子
では遅く、3月に入って囀りを開始するのが普通です。
昨年は初めて2月に囀りを聞きましたが、今年も3月に入り
囀りを開始しました。

ツグミの羽色が赤味を増し、シロハラも夏羽に衣替えしてい
ます。

小川さんの上のクリ畑では、フキノトウが開花を始めました。
2004年 3月19日
2005年 2月20日
2006年 3月18日
2007年 2月24日
2008年 3月 9日
2009年 1月31日
2010年 3月 1日
毎年ここのフキノトウで「蕗味噌」を作るありもとは、今年も1
回分蕗味噌を炊ける分量のフキノトウを摘み取ります。

ありもとは今日、とても楽しみなことがあります
2月16日に入江さんがつねとも池でカスミサンショウウオの
卵塊を発見してくれていたのです。
これはありもとにとって、とても嬉しい記録なのです。

昨年11月、孟子不動谷を時間雨量100mm超の集中豪雨
が襲いました。
「孟子便り」にも書いたのでご記憶の方々もおられると思い
ます。
孟子の谷に流れ込む小谷の地形が変貌するほどの土石流
を引き起こす大惨事でした。
ありもとにとっても「心強い相棒」の無人カメラを2基失うとい
う、悲しい出来事とともに記憶のヒダに刻まれています。

この便りを読んで、広島の調査員仲間の一人が、メールをく
れたものです。
その方が長年フィールドにしていたヒダサンショウウオの産
する谷が、ある年時間雨量100mmの集中豪雨に見舞われ、
それがもとで谷内のヒダサンショウウオが全頭流出し、絶滅
し、現在も回復していないそうです。

孟子のカスミサンショウウオは大丈夫だろうか??
そういう危惧を抱きつつ心待ちにしていた朗報を、入江さんが
届けてくれました。
はたしてつねとも池には、7つの懐かしいコイル状の卵塊が、
整然と並んでいました。
2004年 2月15日
2005年 1月29日
2006年 3月 4日
2007年 2月10日
2008年 1月30日
2009年 3月 5日
2010年 2月16日
相変わらず個体数は少ないですが、なんとか増殖してほしい
ものです。

ニホンアカガエルの卵塊は一足早く孵化しています。
黒江池に4、きみひろ池に4、入口クランクに3
それぞれ新規産卵があったほかは、すべて孵化していました。
マックロクロスケのような小さなオタマジャクシが池の中を泳い
でいます。

集中豪雨にもっとも大きな影響を受けるであろう「はいずり系」
の生き物の中でも、孟子の里山自然のポテンシャルの高さを
実証する「生き証人」のような2種の両生類がなんとか無事で、
本当に安心しました。

カエルの卵調査をひと通り終えたあと、水路道を歩きます。
谷が鳴くように囀るウグイスたちのBGMの中、ウグイスカグラ
が可憐な4弁の花を開花しはじめました。
2004年 3月19日
2005年 2月20日
2006年 3月18日
2007年 3月 4日
2008年 2月24日
2009年 2月21日
2010年 3月 1日
孟子の雑木林に早春を告げる、重要なバイプレイヤーの一つ
です。

タチツボスミレとナガバノタチツボスミレも咲きだしました。

ヒメウズの花も開花しています。
オダマキと近縁のこの花は、里山の林床の早春のシンボルです。
2004年 3月19日
2005年 3月19日
2006年 3月18日
2007年 3月 4日
2008年 3月22日
2009年 3月 8日
2010年 3月 1日

キリリリリ コロロロロ・・・・
弥生のうららかな陽光に誘われ、シュレーゲルアオガエルが鳴きだ
しました。
2004年 2月28日
2005年 3月 9日
2006年 3月25日
2007年 3月 3日
2008年 3月16日
2009年 2月14日
2010年 3月 1日
「里山のカスタネット奏者」もお目覚めです。

ベニマシコの♂の羽衣も鮮やかなイチゴ色に換羽しています。
ピッポ・ピッポと鳴き交わす声が、水路道沿いの小さな藪に響いてい
ます。

テングチョウも飛び交っています。
ルリタテハも飛んでいます。

やはり春の日は、「晴天」が最高です。

時計に目を落とすと12時・・・・
今日は13時から、和歌山県環境学習アドバイザの仕事で、紀美野町
立野上中学校に行かねばなりません。

半日の孟子でしたが、本当に収穫多き1日でした。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<鳥類>
ルリビタキ、ツグミ、モズ、ハシブトガラス、コゲラ、ヤマガラ、シジュウ
カラ、メジロ、スズメ、ホオジロ、アオジ、ウグイス、キジバト、シロハラ
カシラダカ、カワラヒワ、エナガ、ベニマシコ、イカル、カワラヒワ
ビンズイ、ハシボソガラス、オオタカ、シメ、カイツブリ、アカゲラ、カワ
セミ、アオバト、セグロセキレイ
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<両生爬虫類>
カスミサンショウウオ(卵塊)
シュレーゲルアオガエル
ヌマガエル、ニホンアカガエル(孵化)、ウシガエル
ニホンカナヘビ
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<昆虫類>
ヒメアメンボ、テングチョウ、ツマグロオオヨコバイ
ルリタテハ、オナシカワゲラ
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
<花>
タネツケバナ、オオイヌノフグリ、ウメ、ヤブツバキ、ホトケノザ
ゲンゲ、カンサイタンポポ、オニタビラコ、ナズナ、キジムシロ、オランダ
ミミナグサ、タチツボスミレ、ヒメウズ、ウグイスカグラ、フキ、ヒメオドリ
コソウ、セイヨウタンポポ、ミチタネツケバナ、ナガバノタチツボスミレ
ハコベ、ウシハコベ、ノアザミ
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@