悪いことは悪いと言わないと

BPDの人をサポートする中で困ることの一つが、障害を理解しない、できない、知らない人の対応です。

前にも書きましたが、本人がすがりつけるしっかりと変わらないものが必要なのですが、全く障害を理解しない人が、ずかずかと踏み込んでくることがあります。

本人がとにかくいろんな場所にコンタクトをとるのですが(病院だけでも何十か所)その中には、自分の狭い経験や知識を唯一のものとして動かれる人がいて、今まで積み重ねた本人の努力をまったく無に帰してしまうようなことをされる方がおられます。

自分以外の人への不信を吹き込み、時間をかけて、本人と話し合ってやっと決めて来たことを無視し、結果本人をより不安定にしてしまいます。

残念ながらそういう方は、自分の幻想を持っておられますからそれから外れたことはすべて無視されたりして自分が引き起こしているという自覚がおありになりません。

気もちを理解することと間違った行動を認めることとは違います。

それをされると本人は「自分がしんどいのだから何をしても当たり前、それをとやかく言う他人が悪い」と元から持っている他罰性に拍車がかかります。

「私の音がうるさいのなら殺してやろうか」などという風になってきてしまいます。
もちろんより他人に多くの迷惑をかけることになりますし、結果本人も自由を失うことになったります。

一般の方は仕方ないですし、論理的、事実を伝えるなどご説明させていただいたらわかっていただけるのですが。

一番困るのは自分にとらわれていながら自覚のない方です。
誰でも陥りがちなことですが。

私などももちろんその危険性を持っています。
そのために私は何か所もの公的、私的な場所とかかわりを持ち、常に私自身をを客観視していただく機会を持っています。
相手の方には御迷惑かもしれませんが…。

日本はいまだに心の専門職の方が自分を客観視する機会を持たないことを許したままです。

誰のためにもならないと私は考えます。