「平家物語」 滝口入道と横笛の悲恋について

日 時 平成22年4月22日(木)
場 所 甲東公民館
講 師 金生 鐵雄 (歴史研究家)
「平家物語」の中で滝口入道と横笛の悲恋物語と平維盛(清盛の孫)の入水までの物語の講演会に行ってきました。
 滝口入道はもとは御所滝口の警備している侍で名を斉藤滝口時頼と云い、ある日の花見の宴に建礼門院つきの女官の横笛を見て一目惚れし恋歌を交わす仲に滝口の父親が横笛の出目の悪さと滝口の将来のことを案じてきびしく叱ったため、滝口は一方的に嵯峨の往生院で出家してしまう。
残された横笛は、都で滝口が出家したということを伝え聞いてあちらこちら尋ねて往生院へやって来たが滝口は会おうとはしない、横笛はしかたがなく泣く泣く帰りその後奈良の法華寺で尼になるまでの二人の出会いから別れまでの悲恋が物語です。
さて、一方維盛は清盛の直系であるが戦い下手(富士川の合戦他)で一門からは頼朝に内通を疑われ結局屋島から離脱して阿波・紀伊に逃れて行き着いた後、先程の滝口は嵯峨から仏道修行をして高野の聖といわれる高僧になっていた滝口と維盛は出会う、その滝口を先達にして熊野の堂塔巡礼した後、那智の沖にて入水自殺する、享年27歳の若さであった。
 平家物語は栄華と没落を描いた物語であるが、守勢から散っていく、いろいろな出来事は本当に哀れです。 話は変わるが80年代の「日は昇る日本」から今日の閉塞感が満ち溢れる日本社会が平家のように没落してしまわないか非常に心配しています。
<写真は嵯峨野にある滝口寺>