仏と日本人 「高野山詳説と女人禁制について」

平成22年7月9日(金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:岩崎 日出男 (園田学園女子大学教授)
 高野山は、和歌山県伊都郡高野町にある、標高約1,000m
前後の山々の総称です。平安時代の弘仁10年頃より、弘法
大師空海が修業の場として開いた高野山真言宗、ひいては
比叡山と並び日本仏教における聖地であります。現在は
「壇上伽藍」と呼ばれる根本道場を中心とする、宗教都市を形成しています。山内の寺院数は、高野山真言宗総本山金剛峰寺を初め117ヶ寺に及び、その半数が宿坊を兼ねています。
 地名としての「高野山」とは、八葉の峰(今来峰、宝珠峰、鉢伏山、姑射山、弁天岳、姑射山、天軸山、揚柳山、魔尼山)と呼ばれる峯々に囲まれた、盆地状の平地の地域の平地の部分を指します。主な、施設・寺院とした「壇上伽藍」はく空海が、曼荼羅の思想に基づいて創建した密教伽藍の総称であります。 また正当な真言密教を学び、阿闍梨から得度を受け長年の厳しい修業を経た僧だけが秘術を使えるとしています。 その秘術とは、「無我力」「念力」「遠知力」「心眼力」「通神力」が身に備わり、必要に応じてその力が使えるそうです。また「奥の院」には、弘法大師の御廟と燈籠堂があり、参道には皇室、公家、大名などの墓が多数並び、総数は20万基以上あるといわれていまして、戦国大名の6割以上の墓所があります。そして高野山の女人禁制は空海の遺言であります。「御遺告」によると、女性は遺骨になっても駄目と書いて。その訳は若い女性がいると必ず、恋愛問題に発展するので駄目だそうです。なるほどと思いました。 女性と雌犬は骨になっても駄目で、死後の世界があるので当然と感じました。しかし明治以降はその禁止も緩やかになったのは、ご存知のとおりです。