摂津の地名と伝説

日 時 平成22年7月23日(金)
場 所 池田泉州銀行
講 師 田辺眞人氏(園田学園女子大学名誉教授)
 TOYRO倶楽部編著の「摂津ぶらり旅」の出版記念として
標記セミナーが催されました。
 昔の摂津の国と言えば、古書に十三の地域から成っている
とされ、それは「住吉・百済・東生・西生・島上・島下・豊島・
川辺・武庫・兎原・八部・有馬・能勢」である由にて、今でも
住吉や有馬等はそのまま残っていますし、東生は東成として字を変えて存在しております。
 しかしこの攝津の国も今では兵庫県と大阪府に分断され、その名残がJRの駅名としてわずかに我々に伝わってきています。
 すなわち大阪府には「摂津富田駅」があり、兵庫県には「摂津本山駅」があることでわかります。
 地名も漁業が盛んであった海人崎は「尼崎」となり、農業に適した川の西側は「川西」と命名されて今日に至っています。
 また伝説では漁師が漁をしているとその網にある神様がひっかかり、ここ(鳴尾あたり)より西の森に我を祀れとの神託を得て宮を建てたことから「西宮」と名付けられたとか。
 その他中国から織物の名手である呉漢(クレハトリ)、服漢(アヤハトリ)姉妹が流れつき、東・北の地で糸を編んだことから「糸編→伊丹」となったようです。
 掘り下げれば掘り下げるほど、興味の尽きないお話しでした。