認知症予防講演会の報告

「認知症予防ゲームスリーA方式学習会」と名づけた講演会に招かれて、去る7月29日(木)、千葉市に行ってきましたので、その報告です。
昨年12月の講演が好評だったからと、2度目のお招きをいただきました。

今回は、花見川区にある“さつきが丘いきいきセンター”の、こじんまりした高齢者施設の別棟で、プレハブですけれど、きれいな建物の会議室に、50人ほどの方が部屋一杯に集まってくださいました。
認知症予防に19年来とりくんで、高い成果をあげている“スリーA(増田方式)”については、全く白紙の一般市民の方たちで、男性も5〜6人は参加されていました。

介護家族の体験から始まった私の講演ですが、皆さん、食いつくように聞いてくださいました。対面しているどちらが火付け役か判りませんが、1時5分から2時55分まで、びっしり一人で喋り続けました。
多分、皆さんがスリーAの理解者になってくださったと、うぬぼれでなく正直感じました。…と言うこと自体うぬぼれみたいですけれど。

教室でなく、講演会ですので、約2時間の後半に行ったゲーム体験では、1種目ごとに笑いの意味、優しさのシャワーがどこにあるか、脳活性化訓練はどこに潜んでいるか、その三つをしっかり解説して真底からわかっていただくようにしました。終了5分まえでゲームを打ち切って、質問時間に移りました。

解散してから、数人の方が寄ってきてくださり、自分は京都出身だ、京都弁が懐かしかったとか、ゲームの道具の作り方をしげしげと観察し質問されたり、親しさを一杯示してもらいました。講演中に涙を浮かべている方がおられたので、深刻な質問をされるかなと思ったのですが、予期に反して、ゲームで大笑いされて発散できたかのように明るい笑顔で帰られました。介護問題で多分私同様の悩みを抱えておられるのだろうと推察しました。

まだまだ講演のまとめが下手だと反省します。
「認知症患者の尊厳とは」を最後において、昔と今の違いに言及し、いまほど進んだケアでも本質が置きざりだ、予防、認知症からの引き戻しこそが患者の願いだ、と結んだのです。
こういう終わり方は私の最近のスタイルですので、もう一つ言葉が足りなかったかと、反省が残りました。

以下は、当日のレジュメです。

 認知症とは
 認知症予防とは
 スリーA増田方式の認知症予防とは
 ・ 発症した方:「重度化予防」と「在宅生活への引戻し」
 ・ 物忘れの段階:「発病予防」と「明るい在宅生活への引戻し」
 ・ 一般の方:「転ばぬ先の予防」
 認知症からの引き戻しの三本柱
 ・ 優しさのシャワー(癒し)
 ・ 脳活性化リハビリ(予防ゲーム)
 ・ 笑いの効用
 脳活性化、予防ゲームのミニ体験
 終わりに:認知症患者の尊厳を守るとは?

以上簡単ですが、千葉での講演の報告をさせていただきました。
(高林実結樹)