都市と農村の交流とは

丹波ふるさとネットは

ここ丹波篠山と大阪にオフィスを置いております。都市と農村の交流が大きな活動分野になります。

都市住民、特に日本の宝物である子供のふるさと、ふるさとを持たない都市住民の第2の心のふるさとに丹波篠山を選んでもらえるようにさまざまな企画をしていきます。

でもこのままでは、高齢化、そして耕作放棄という、問題が起きておりいわゆるこのままでは限界集落と呼ばれる地区がますます増えていくことになるかと思います。

そこで、私たちは、この「丹波ふるさとネット」を組織して、都市と農村の交流によって農村を活性化させることをめざすことにしたのです。

ここで農村側の、集落のトップの方に孫の代ではどうなるのか、つまりこのままではいけないという危機感のある方と連携させていただくことが重要な課題になります。

内閣府の調査によると、都市住民の約3割が農村志向を持つというデータがあり、
そのうちの4割が20代の若者です。

もしかすると若者の多くが、これからの都市での生活にあまり希望が見出せず、農村に何かあるかもしれないと直感的に感じて淡い期待?を抱いているのかもしれません

借りる農地は遊休農地で、もちろん荒れた状態なので、すぐに農業はできません。

そこで、先ほどの都市の住民に着目し、開墾の段階から参加してくれる援農ボランティアを募集します。

ボランティアの中には、研修生になったり、私たちのスタッフになってくれたりする若者も出てくるでしょう。

農村で農業をやりたい若者は、今都会にたくさんいますが、その多くは技術をもっておらず、いきなりの実践は難しいです。

まずは農村体験から始めてもらい、もっと深く知りたい人には、農村ボランティア制度を試してもらっていくことです。

丹波ふるさとネットでは

仕事のお休みの時に来てもらって、仲間と一緒に汗を流し、そして一緒に食事をし、また熱く農業への思いを熱く語らえる場、(交流館)の提供をします。

そして、さらに難易度を上げると、インターンシップ制度も利用できます。

無理のない形で、その人に合った仕組みをつくってあげるのがポイントなのです。こういう連続性のあるプログラムを、私たちは「週末農業」と言っています。

近年、いろいろなところでグリーンツーリズムが活発化していますが、私たちのアグリツーリズムの「週末農業」の特徴の1つは、企業に参加していただくところもポイントです。

地域に根ざした農業や林業といったモデルを創出させることです。

もちろん地域との交流を一過性に終わらせず、ビジネスとして継続させ、成り立たせます。 いわゆる6次産業化です。

たとえばある外食産業の豆腐専門店さんでは、社員さんたちに大豆の種まきから草取り、収穫、脱穀までといった農業体験をしてもらいます。

そして収穫した大豆でつくった新商品がなんと大ヒットし、生産が追い付かないほどになります。私たちは、こうした事業を協働で支援していきたいと思います。

また、企業の社会貢献が注目され始め、CSR活動の場として農村を選択する企業が増えています。

将来 丹波篠山では不動産会社などの社員たちによって遊休農地の開墾や、1例では畑わさび栽培や、わさび商品(わさび葉寿司など)などを実施してもらいます。将来 企業が私たちとの協働で、農場運営を行っていきます。

そしてこれから、力を入れているのが、展開していくであろう「篠山企業ファームリーグ(アグリーグ)」です。

これは、篠山市において、新たな担い手として企業と地域とが協力しながら地域資源を活用し、農村を活性化させるプロジェクトです。

もちろん企業側もニーズがなければ私たちと協働しません。

このニーズを分類してみると、1つはCSR。2つ目は安全・安心な原材料の調達。3つ目は人材育成。4つ目は新規事業の展開。5つ目はCO2排出量の削減が挙げられます。

地域再生に企業巻き込む、なかでも反響が大きいのが3つ目の人材育成です。

「社内でのコミュニケーションがよくなった」、「元気になった」という声が多く聞かれるようになるでしょう。

では、企業をうまく巻き込む上でのポイントはというと、まずは現地に来てもらうことです。つまりアグリツーリズムの視察ツアーなどのイベントに参加してもらうことです。

そう考えると、私たちが行っている都市と農村との交流をコーディネートする役割の大切さをひしひしと感じます。

企業以外にも都市の住民や大学などと農村をつなぎ、地域に関係を根付かせ、活性
化させる。

そのために農村の人はもちろん、農林業者や行政にも登場してもらうことが必要です。

地域の人が自分たちの気持ちを外へ伝えない限り、何も変化は起きません。

そうした場をつくることが私たち丹波ふるさとネットの役目だと思っています。

そして、今不足しているのが、このコーディネーターなのです。

私たちは、一人前のコーディネーターとして事業運営できるレベルまでの人材育成にも取り組んでいます。

カギ握るコーディネーター必要となるのは、まず農村現場での最低限の経験と知識。

次に農村資源を活用している都市部のマーケットの把握。

そして人、モノ、金、情報といった経営資源のマネジメントスキル。

さらに具体的に事業化するための企画立案のスキル。最後にコミュニケーション力と盛りだくさんです。

これらの技術を習得できる場として丹波ふるさとネットから研修制度をスタートさせ、コーディネーターの育成を行っていきます。

さらに次のステップとして、来年度から新たに、内容は、内閣府が行う地域社会雇用創造事業として農村での起業支援と、人材育成インターシップ事業の二本柱のプロジェクトです。

来年から募集を開始しますので、私たちが行っている活動に関心のある方は、ぜひチャレンジしていただきたいです。

そのほか、そこで学んだことを農村で実践できる「丹波篠山アグリツーリズム協議会」を立ち上げ、交流や連携を展開していきます。

担い手がいないという状況の中、農村と都市の交流は重要です。その中で、いかに人を育てて事業の構造をつくっていくのかが、今後私たちの課題と考えています