今回は、雑談はちょっとおいといて、挨拶の話です。

私は、「ハキハキと」「ちゃんと」といったあいまいな言葉や、暗黙のルールや、タイミングなど非言語的なものを理解するのが非常に苦手です。

そんなわけで、子どものとき、親にこう言われて非常に困ったことを覚えています。
「外で知ってる人に会ったら、あいさつしなさい」

何を困ったかというと
「会った」っていつ、何をもって「会った」というの?
というのが、分からなかったのです。

たとえば道で、だいぶ離れた距離(10〜20メートル以上)から知ってるおばちゃんがこっちに向かって歩いてくるとする。
そしたら、その人と「会う」のはいつの瞬間なのか!?って真剣に悩んでました。
むちゃくちゃ屁理屈みたいですけど、本当の話です。

「お互いに相手のことを認識したとき」「相手との距離が1メートルくらいになったとき」とかなんとか、もう少し細かく説明してもらえたら分かったのでしょうが、残念ながらそのような説明はなかったし、親にも聞けませんでした(まあ、多くの子は「会ったとき」という言葉で理解できますからね)。
おかげで、挨拶はぜんぜん出来ず、外で人に「会う」のがとても怖いのでなるべく人と「会う」場面を避けていました。

高校・大学生になっても、朝登校して教室に入るときにクラスメイトに挨拶するタイミングが全くつかめず、楽しそうに「おはよー」と挨拶を交わすクラスメイトを横目にたいそう悩みました。
挨拶しなくていいように、わざとチャイムが鳴るギリギリに教室に入り、しかも後ろ向きになってドアを閉めて、人と顔を合わさないようにする・・・などというひどい有様でした。

(つづく)