9月6日〜8日、静岡のスリーA認知症予防教室指導者研修会(現在は、認知症介護予防職員研修 と呼ばれています)を受講してきました。
研修会には2002年12月にも、実母の認知症を引戻したい一心で、一度受講しました。予防教室の持ち方、関わり方を中心とした研修会でした。在宅で スリーAの関わり方に変え、ゆっくり 笑顔で やさしくを誠心誠意貫き、時には 失敗して 母を追い込んだりしながらでしたが、あれから8年、母は穏やかに 時には小混乱もありますが、娘の私と、夫の協力の下、未だ介護保険申請もせずに 在宅介護を続けています。
しかし、マンネリで私の接し方が雑になり、母は居場所を捜す日々が続きました。これではいけないと、再び、スリーA提唱者の増田末知子先生の パワーを頂きたいと、留守番に実妹を頼み、三日間、静岡の研修会に参加しました。
研修会は20回目の節目で、一日目の午前中は「介護予防活動研究会」の田中甲子先生の講演と、重度の認知症施設の元施設長・知花先生のお話がありました。
田中甲子先生は、46年間、地域保健に関わり、介護予防が大切だと言い続けて来られました。「制度の難しさ」「制度の不備」で、予防が大事だと判っていても、病気になってからの「後追いケア」しかないのが、日本。日本は長寿世界一だが、死亡までの寝たきりの期間が長いのも特徴。
制度の難しさでの話では、平成11年に、厚生労働省の山崎史郎(5月16日の当会講演会の講師)さんが、介護予防のためにと 補助金600億円をつけてくださったが、予防(保健)には回らずに、福祉のほうに回ってしまった。予防の人材が居なかったこともあり、健康増進・配食にまわり、果ては、検査院(税金が上手に使われているかを検査する)で検査を受けたという 不備になった。とのこと。
自分たちの老後には予防しかない!
自分自身の予防をしてください!
制度には頼れないから、自分自身で予防!
なんとも寂しい話であった。
知花先生は、認知症の方への薬は
(1)優しい人が傍に居る・・・演出も大切
(2)美味しいもの…
身近な心のこもった、食べやすい 楽しみながら食べたい
(3)慰めの良い言葉をかける…気持ちの良い
増田先生の講義は、一日目の午後の講義からは 休憩は3時の10分間だけというハードなこと! それでも時間は足らないほどで、質問は書いて提出して、後日先生から答えるとのことでした。
今回は、介護予防、認知症予防に関して、制度から放り出されそうだと話されていました。しかし、心ある地域では、何年も「スリーA認知症予防教室」を開催されているところもあるとのこと。
また私たちのNPO活動の繋がりでの参加者が8名もあり、小さいけれど確実に広がってきていることを、前向きに捉えてくださっていました。
多くの事例、問題解決の方法、アルツハイマー型・若年性・血管性の方との付き合い方の違い、認知症予防型デイサービス「折り梅」(スリーA主催のデイサービス)の実際、その他。色んなお話がありました。
私は、母への関わり方での 間違い探しをしていました。大きな間違いはないような気がしましたが、気づきはたくさんありました。それを羅列して、日々の暮らしに役立てたい!
・工夫して 色んな遊びをする
・本を読んで 勉強をする
・楽しい介護って何だろう?物の見方を替えてみよう!
・本人の居場所確保
・観音さんの笑顔になりたい!
・やる気があればOK!
・指示していないか?
・ゆっくり目を見て要望を汲み取ってケアしてほしい
(若年性クリスティーンさん)
・NO!と言葉を出すことが出来ないから、暴力が出る 表情から汲み取って
(クリスティーンさん)
・自分の頭がどうかしちゃった 頭が真っ白!
・頭が一杯なのに 何か言われると「うるさい!」暴力しちゃう
・ゆっくり表情を見て汲み取って欲しい
・うまく接するには工夫する
・心を癒す(優しさのシャワー)&生活の質を高める&脳リハビリはトライアングル・・・その中でも一番大切なのは「心を癒す(優しさのシャワー)」
・傾聴・心を軽くする・生きる力
・自分を守るために 作り話をする
・大切な一言⇒あなたを大事に思っているよ・大好きだよ〜
・愛情・育む・癒す⇒長い間持ちこたえる
・楽しく生き生き・褒めてタッチすると 右脳が刺激され、前頭葉を動かす
・持ちこたえるコツ
楽しくゲームをして、生き生きさせて、右脳を刺激
・人間の脳は通常20%しか使っていない、残りの80%を動かす
楽しく生き生きさせると 使っていない脳を 動かせている
・ゲーム⇒楽しく笑う
目の見えない人でも 工夫次第で大笑いできる
・一般健康人でのゲームは、新しい種目も取り入れる
・心に引っかかっていることがあるとき、きっかけがあると悪くなる
・意図的に 笑ってもらう
・満足させたい時には、ゆっくり達成感を味わってもらう
・教室・サロンは 月一回でも やり方次第でOK!
・「折り梅デイサービス」での送迎は、
1、家族送迎 2、家族出迎え 3、出迎えなし
良い状態で持ちこたえているかは、家族送迎が一番良い状態
家族送迎では、送迎時に家族同士の交流で 家族も食い止めになっている
・病気の性質も知っておく
○アルツハイマー⇒自分の世界・勝手気まま
○脳血管性⇒まともに付き合う
○ピック病⇒刺激を強くしない
ゲームは、同じことをするが 付き合い方は変える
・介護者も病んでいる
◎お年よりが元気でいてほしい!
◎にっこり笑顔で相手の話を聴く!
〜〜〜〜〜
暑い夏の間、私の関わり方も雑になり、母が「教えて!」と言うので、「こうしたら?」と指示をしていたことや、母の穏やかなときのことが標準になり、母の小混乱時には、私も一緒に熱く 頭がカッカしていたのが原因で、落ち着かない毎日だった。
「優しさのシャワー」をもう一度、心に言い聞かせて、母と向き合うと、母の言葉も自然に聞こえ、同意し認め、工夫している態度の私に戻っている。
2度目の研修を受けてヨカッタ〜 と心底思っています。増田先生に感謝!
これからも 本人、家族、社会の喜びに繋がる、在宅介護を一日も長く続くように、やってみたいです! 頑張り過ぎないように。
また、地域のサロンでの認知症予防や、NPO活動にも「母との生活からの気づき」を取り入れて、少しでも認知症を食い止めるお役に立ちたいと強く感じました。
福井恵子