ため池の自然を守る〜カメ類の捕獲調査と外来種の駆除〜

9月11日・12日
 先月に引き続き、寺田池南側に罠かけをしてカメの捕獲調査を行ないました。
 寺田池ではここのところアオコが大量発生し、さらにカビの塊のようなものまで浮かぶようになり、悪臭が漂い地元の人々の憩いの場とは言えなくなっています。動植物にとってもかなりの悪影響が出ていると思われます。
 原因は春先の多雨に加えて、稲作をやめる農家が増えてきたため、夏になっても池の水位が下がらず、水をポンプアップすることがなかったからです。もちろんよどんだ水を抜いて、新しい水をポンプアップすれば、水温も下がり、池の水が攪拌されて水質がよくなるのですが、それには何十万円ものお金がかかります。・・・なかなか難しい問題です。

 さて、捕獲したカメですが、今回は2日間でクサガメ4頭、ミシシッピアカミミガメ50頭でした。クサガメに比べてミシシッピアカミミガメの数があまりにも多いのに改めてびっくりさせられます。捕獲しても捕獲して次々に捕まる外来種を見れば「焼け石に水」にも思えますが、それでも捕り続けなければ状況は悪化するばかりです。
 ただ救いもあります。2006年の池干しの際に保護して「五郎右衛門池」に放流したクサガメたちが寺田池に戻ってきているのが確認されています。細い側溝などでつながっているとはいえ、直線距離にして500m離れた池からどうやって水が入ったのを知り、戻ってくるのか大変不思議です。戻ってきたクサガメたちのためにも寺田池をよい環境にしていきたいと思います。

映像(上):アオコとカビが浮かんだ寺田池水面

映像(下):みんなで情報交換。地元の人々も寺田池の水質悪化と外来種問題には頭を悩ませています。