21世紀の宇宙 「宇宙進化のシナリオ〜」

平成22年9月17日(金) 夕方の部で実施
場所:県民会館
主催:兵庫講座 2010
講師:黒田 武彦 (兵庫県立大学 自然・環境科学研究所)
我々人類は古代ギリシャから、宇宙を探求しつづけています。
その目的は、私達はどこにいるのか、宇宙の中の空間的な
位置付け、私達はどこからきたのか、宇宙の中の時間的な位置
付けを探るためです。遠くを見ることは昔を見ることです。私達
は光(電磁波)で情報を得ていますが、光の速度は有限で、遠い天体からの情報は時間がかかり、遠い天体ほど昔の光を見ていることになります。
 キリスト教では、宗教教義で万能の唯一神がこの世(大地も天も太陽も月も星も)お造りになった。天体の運行は全て神の指示で動いているとあります。しかし、1600年頃、天体観測が精密さを増してくると、そうは言ってられなくなりました。コペルニクスは太陽中心説を唱え、この頃、ガリレオはピサ大学の教授の地位を得て、数学と天文学を教えました。しかし科学の問題について、教会の権威やアリストテレス哲学に盲目的に従うことを拒絶します。また、哲学や宗教から科学を分離することに力を注ぎ「科学の父」と呼ばれていますが、当時は敵を増やし、異端児の誹りを受け軟禁状態となってしまいます。
 その後、大航海時代が始まり、天体観測で世界中を航海するようになります。星図が地図代わりになり、未来予想星図が重要になり、地動計算の未来予想星図はその正確さで勝利しました。
 宇宙の年齢は、約137億年とされていますが、これは現在の宇宙を遡り推定したものです。