阪神間の文学散歩

日 時 平成22年9月18日(土)
場 所 大手前大学
講 師 河内厚郎氏(文化プロデューサー)
 阪神間を舞台とした文学作品について、イラストマップを
見ながらその足跡を訪ねるセミナーがありました。
 阪神地域は、明治・大正時代に花開いた「阪神モダニズ
ム」などの特色のある文化や風土を育んできた土地柄で、
谷崎潤一郎・井上 靖・遠藤周作そして村上春樹と名だた
る文人が活躍し、数々の著名な文学作品を残しています。
 今回は、芦屋〜西宮間に焦点が絞られ、阪神打出駅北側のサルがいた公園(村上春樹「風の歌を聴け」)、宮川町の富田砕花旧居宅(谷崎潤一郎「猫と庄造と二人のをんな」)、岩園町のいかりスーパー(平中悠一「シーズ・レイン」)、阪神香枦園駅前の喫茶店・モーツアルト<架空で実際にはない。>(宮本 輝「錦繍」)、夙川の川沿い(井上 靖「あした来る人」)等々の貴重なお話しをお伺いいたしました。

阪神地域を舞台とした文学作品は、前述のごとく数々あります
が、何と言っても古今随一は谷崎潤一郎の没落していく商家の
四姉妹を扱った「細雪」ではないでしょうか。
 「細雪」という言葉は、もともと俳句の季語で、降っているのか
降っていないのか分からないような雪のことを指し、モダンなよ
うで日本的、古風なようでハイカラな土地柄をたくみに物語って
います。(右の写真は四姉妹の主治医のモデルとなった医院)