歴史的建造物と地震被害

日 時 平成22年10月20日(水)
場 所 こころのケアセンター
講 師 清野純史氏(京都大学大学院教授)
 日本は地震国であるが、近年15年間に世界の色々な所で地震
が起こっている。
 イラン・インド・ネパール・インドネシア・南米等は組積造(レンガ)で
あるので、建造物の家は地震でパラパラになり崩れる。
 「人」と「文化遺産」はかけがえのないものであるので、人的被害
の最小と文化遺産の災害からの防御が最大の目標である。
 世界遺産の被害として、イラン・バム地震でのバム要塞、ジャワ島中部でのボロブドゥル、ブランバナン寺院遺跡群の説明があった。
 世界遺産に指定されて維持できない遺産を「危機遺産」と呼ぶとのことです。
 現在 ネパール・カトマンズの世界遺産防災プロジェクトを行っており、世界的建造物と地震被害の説明がありました。
 現在は、①過去の地震活動度の把握、②地震ハザード解析、③弾性波トモグラフィによって地震や老朽化により修復箇所のある建物(パタン北西部の17世紀中頃の建立)の材料物性値の推定、④微動計測による歴史的建造物の動特性の把握、⑤物理パラメータ推定のための要素試験を行ったとのこと。
 今後の予定は、歴史的建造物の地震時挙動検討のための詳細な数値シミュレーションを行い、カトマンズ盆地(カトマンズ・パタン・バクタプルの3都市がある)のパタン都市の宗教的建築物・歴史的住宅群の建築物の耐震性評価と補強方法の検討を行うということでした。