地中海ヨーロッパのイスラム文化

日 時 平成22年11月9日(火)
場 所 大阪駅前第3ビル
講 師 山辺規子氏(奈良女子大学)
 イスラムが地中海ヨーロッパに与えた影響について、スペイン
とイタリアを例にご教示いただきました。
 まず最初にイスラムの略史ですが、7世紀初め(610年頃)に
アラビア半島のメッカでムハンマド(マホメット)が神(アッラー)
の啓示を受け布教を開始いたしました。
 622年にムハンマドがメディナへ移住し、これをもってイスラム暦元年と定め、8年後に彼は再びメッカに帰還しますが、その2年後にこの世を去っています。(この頃にコーランが作成される。)
 その後キリスト教支配よりイスラムの方が税金が安いこともあって、ムスリム(イスラム教徒)は急速に勢力を伸ばし、イベリア半島(スペイン)ではセビリア、コルトバ、グラナダ等を手中に収めますが、やがてキリスト教の反撃にあい、メスキータやアルハンブラ宮殿等芸術性豊かな遺産を残し、アフリカへ退きます。

また、イタリアでは南部のシチリアにおいて、フェニキア人と
ギリシャ人の勢力が拮抗し、イスラム教・キリスト教間で緊張
が続きますが、これがポエニ戦争の源になり、やがてイスラム
は州都・パレルモ等にその文化の粋を集めたモスクや礼拝堂
を残し、シチリア島から姿を消します。
 その他、本土のアマルフィでも芸術性に優れた大聖堂を造り
地中海ヨーロッパにすばらしい遺産を与えてくれました。