日 時 平成22年11月17日(水)
場 所 人と防災未来センター
講 師 中川 大氏(京都大学大学院教授)
阪神淡路大震災の被災地に起きた大規模な交通渋滞の説明が
あり、この教訓により各自治体で想定されている震災時の交通対
応策は、主に道路構造強化、緊急輸送道路を指定しての交通規
制で構成されている。交通規制の効果は限定的であり、これが最
大の解決策と考えるのは極めて危険である。規制すれば交通渋滞
がなくなるものでもなく、災害時は特殊な状況にあるため規制そのものが極めて難しい。
車庫から出さない、車を待機することを多くの人が知っていなければならない。このような報道や物資の充足度の情報が大切である。物資の配分方法と災害直後において実施すべき交通対策は、発生時刻によって大きく変わることの説明があった。
シミュレートシステムの説明と、シミュレートによって検証した例の説明もあった。
震災時への対応を常に想定し、実際の緊急時にすばやく有効な判断が出来るように備えておくことが必要とのこと。
起こり得る状況を想定出来る分析システムによって、震災時の交通対策として真に有効な方法をあらかじめ把握する必要があるとのことであった。
我々は渋滞が起こるものであると認識し、地域自立型の医療対策や地域が火災延焼や消防・水利対策を整えること、また発生直後には物資運搬はむしろ控えることを前提として個々の地域内に水・食料等の備蓄を充実させておくこと等、自動車に過度に依存しない防災システムを構築しておく必要を知ることが出来た。