11月13日(土)「理想の町を追いかけて…」と題して、奥居武
さんにご講演頂きました。
何時ものように講演会の幕開けは、ボランティアで参加して頂いて
いる、川上時子さんによるビアノ演奏「フランス組曲3番よりメヌエットΙ」
「主よ、人の望みの喜びよ(マイラ・ヘス編曲)」の2曲
でした。受講者の皆さんは、うっとりと聴き惚れていました。
講演者の奥居さんは、5歳から藤代台で暮す千里ニュータウン育ち。自分が夢見て共に歩んだニュータウンが、老朽化・高齢化していく現状の方向性を見出そうと、北は北海道から南は沖縄まで、全国の39ケ所のニュータウンを訪ね、その町で生活する人々の生の声を、
聞いて回られました。
常磐平団地(千葉・松戸)、団地の中に博物館があります。また、
老人が孤独死を免れるために、住民によるネットワークが作られています。素晴らしいことですね。
平真団地(沖縄)、リゾート地を思わせる景観が、都会に住む私達にとって、大変魅力的・印象的でした。
等々、ご自身の五感で得た特徴的なニュータウンの在り様を、専門家の目というフィールターで選り分けて、そのエキスのみを抽出
して、映像とトークで分かり易く解説して頂きました。
それはテレビの旅行番組のごとく、全国ニュータウン訪問記であり、
その映像は美しく、大変楽しい内容でした。
私達の住む千里。日本の数あるニュータウンの中でも、新大阪や
伊丹空港にも近く、一番立地に恵まれていると言えましょう。
しかしそこでも、千里中央周辺は便利であり、高価でも住みたいという人の需要が多い一方、バス利用が必要な地域ではそうでもないという、二極化の兆候が現れ始めているとのご指摘がありました。
奥居さんは、「開発に終わりはあっても、生活に終わりはない」と
言われました。愛する千里ニュータウンの将来像を方向付けるのは、どこの誰でもなく、そこに住む私達一人ひとりの肩に懸かっているのだ、との強い印象を受けて、講演会は幕を閉じました。(原)