12月11日(土)「TOYONAKAの戦後史と私の豊中」と題して、野村重男さんにご講演頂きました。
恒例により講演会に先立って、ボランティアで参加して頂いた、
川上時子さんと丹波淳子さんによるビアノ演奏、モーツアルトの
「ピアノ連弾のためのソナタ ハ長調K.19dp全3楽章」の曲
に、受講者一同酔い痴れました。ありがとうございました。
講演会は、歴史から始まりました。昭和11年4町が合併して豊中市が誕生。
同45年千里中央地区竣工、万博開催、北大阪急行開通等の様子が
映像に映し出され、分り易く解説されました。
この様な環境下での、人口の飛躍的増加は、学校・下水道・ごみ
処理等のインフラ整備を促し、行政官の立場にあった野村さんからは、
ご苦労されたお話の一端が披露され、受講者は懐かしい思い出と、若い頃に
立ち返った錯覚に陥り、お話を聞き入っておりました。
続いて、野村さんの生い立ちが、三島由紀夫の「愛の渇き」の小説に重ねて語られました。
小説には配給所の子供が肺炎になり、ペニシリンで一命を取り留める記述があるが、
これは野村さんの誕生間もない頃発生した事実であり、祖父が小説の舞台となった
「江村農園」に出入りしていた関係もあり、作者はこれを情報源としたのではないかとの
お話であった。小説の展開に伴う場面場面では、野村さんの記憶が小説に重ねられて
語られ、会場には「愛の渇き」が刊行された、昭和25年頃の雰囲気が漂い、不思議な
感覚であった。
本年10月の東慈性さんの「三島由紀夫文学入門」で取り上げられた、また違った角度からの「愛の渇き」。短期間での2度の講演の
結果、千里図書館への借入希望が多くなることでしょう。
無線、登山、マラソン、天文観測、ネバールへのボランティア活動等々、講演のための準備を頂いたようであったが、残念ながら時間の都合もあり、急いで映像を見るだけに留まったのは残念であった。
最後に、星座によるビンゴゲームが行われ、ここでも皆さん若やいで、楽しい時間を共有できたことは、大変幸せであった。(原)