京都市「デイサービスやまざと」スリーA 学習会の報告

2010年11月13日/27日 スリーA学習会報告 
 NPO法人認知症予防ネット 運営委員 赤松ふさ枝

私は、NPO法人認知症予防ネットで活動をはじめ今年で5年になります。

そして、看護師として、「やまざと」のご利用者様と生活の一部を共有するようになって半年が過ぎようとしています。施設見学の時は、皆様と一緒にお雛様を作らせていただきました。笑顔で迎えてくださり、お邪魔したのは30分くらいでしたが「また来てくださいね」と声をかけてくださいました。

その言葉かけがうれしくてその後「デイサービスやまざと」に就職しました。

現在は、朝のお迎えからはじまり、健康チェックをなどの看護業務で仕事をしています。

仕事の合間には心配事や近況をお聞きしたり、体操なども一緒にするなどしていて、あっという間にお帰りの時間が来てしまいます。

そんな折、介護福祉関係のアンケートの話しがありました。
それは、「あなたの施設では介護や福祉面で、地域でどのような活動をしていますか」というものでした。

さっそく、これから勉強をしていかなくてはならないこと等をスタッフ全員で検討しました。そしてスリーA方式の認知症予防を取り上げることになり、今日の学習会を迎えることが出来ました。

事前に、「やまざと」のご利用者様には、学習会のチラシをお配りしたり、地域の社会福祉協議会へのご連絡などもさせていただき、参加を募りました。

当日の「やまざと」には、上京社会福祉協議会の企画担当の方をはじめ、地域の福祉員さん、第3者委員の方、介護や福祉の専門職の方、そして施設の職員と施設長ご夫妻、計17人の皆様が御参加くださいました。

日頃は、デイサービスのレクリエーションの時間に指体操や風船サッカーなどをしています。指の体操や、腕の運動、リズム、を取り入れたゲームで、記憶力を継続させ、協調性を高め、速さに対して認識が持てる等、機能低下によって衰えてきつつある力を、ゲームを通して楽しく改善していくことが出来るということを、ゲーム毎にお伝えしながら進めていきました。

リズムや、お手玉を使ってのゲームではお隣同士が優しくふれあい、始めてとは思えないほど息があい、笑顔があふれていました。この日のお仲間さんは優しい方ばかりの集まりでしたが、「スリーA方式」のやさしさのシャワーで、よりいっそうやさしさに磨きがかかったようでした。

机の上は、「回り将棋」をしました。年配の方もおられたのですが、将棋はしたことがないという方が殆どでどうなることかと思いました。でも自分の順番がくると、待ちかねたように駒の持ち方を工夫したり、自分の動く駒を追い掛け、メンバーが出す数に歓声を上げておられました。

机でのゲームは、他に頭文字集め、広告パズル、ビンゴゲーム、といろいろあります。

最後の集団ゲームでは、じゃんけんゲームを取り上げました。この日は、たった一人ご参加くださった、「やまざと」のご利用者さんが優勝され、全員で表彰式の写真を撮りました。

このゲームでは、はじめにルールを覚え、相手を探して、じゃんけんをしてリボンを渡したり、もらったりする中で、人と関わるための、記憶、理解、判断などの力が、楽しみながら自然と養われます。

皆さんで盛り上がるこの集団ゲームは、最後に行い、楽しさの余韻を残し、次回またここに来たいと思えるようにするのです。

13日はゲームの一部しか紹介できませんでしたが、終わりの茶話会では「楽しかった、久しぶりに良く笑ったと話しておられました。次も楽しみしています。また、聞かせていただいたスリーA方式の関わり方を仕事に活かしてみますと、帰って行かれました。

2回目、27日の学習会では、前もって連絡はしなかったのですが、「今日でしたよね、楽しみにしていました」と地域の方々がそろって参加してくださいました。

この日はたくさんゲームを体験していただき、時間いっぱい楽しんでいただこうと、認知症についてのお話は10分〜20分でおしまいにして、さっそく自己紹介、日にちの確認、夢の旅行から始めていきました。

夢の旅行とは、記憶力の回復、回想、言葉を思い出す、声を出すなどが目的です。

皆さんから、各地の名所や、温泉、見に行きたいものや、もう一度行ってみたい場所、を出していただき、その中で今日は何処にしたらよいかなどを決め、行きたい名所、見たいもの、お土産などを決め、最後の茶話会で思い出していただきます。ただ夢の旅行に行くわけではなく、記憶したり、それを思い出したりという訓練になります。

又、その話から子供の頃の楽しかった話や、親兄弟との思い出などへと話しが広がり、自分が輝いていた頃のことを思い出して気持ちが若返り元気になります。思い出す言葉や地名などは長すぎず、多すぎ、皆が分りやすいところにします。

たとえ旅行の行き先を忘れてしまっても、皆さんで声をそろえて言ってもらいますから誰が覚えていて、誰が言えたのかなんてわかりません。何回かお仲間さんと旅行をしていると、いつの間にか声が出せるようになっているのです。そして地名が言えた時は、聞き逃さないように、そこをほめてあげるのです。ほめられることは脳の活性化には一番効果があるのです。

ゲームは始まると休憩は取らずに続け、4種類のゲームの中からいくつか組み合わせて1時間30分くらいで行っていきます。

今回の学習会でもいっぱい笑って、頭をつかってとっても元気にさせていただきました。

「デイサービスやまざと」から定期的にスリーAが発信できるようがんばって行きたいと思っています。