印象派の画家たち

日 時 平成23年3月9日(水)
場 所 池田泉州銀行
講 師 大久保恭子氏(関西外国語大学)
 印象派の画家の代表選手と言えばモネとルノワールでしょう。
 そもそも「印象派」という言葉は、ルノワールが委員長を勤めた
「画家・彫刻家・版画家等による芸術家匿名協会第一回展」に
ついてのルイ・ルロワの酷評にあるとのこと。
 すなわち、モネの”印象、日の出”の絵を観て「わたしが印象を
受けたからには、そこに何らかの印象があるに違いない。(中略)なんと自由きままなんだろう。未完成の壁紙だってこの絵より完成されているだろうさ。」からだと言われています。
 それはさておき同じ印象派でもそのモチーフは様々で、右上の写真は「ラ・グルヌイエール」で、前述の2人が同じ所を描いていますが、モネ(上)は距離をとって小島を小さくして前面の水面に反射する光の様子を、またルノワール(下)は小島を大きくして、そこに集う人々の出会いの雰囲気を表現しようとしています。

モネと言えば何と言ってもパリ・オランジュリー美術館の睡蓮
の連作でしょう。
 彼はこの作品についてこのように述べています。「壁に沿っ
て同じ主題で包むようにするのだ。そうすれば終りのない全体
に水平線も岸辺もない水の広がりの幻影が生まれるだろう。」
 この作品を観る私達は、まるで水の中につかっているように
感じるのは、どうしてなのでしょうか。