古代ギリシャ・コレクションの魅力

日 時 平成23年3月17日(金)
場 所 うはらホール
講 師 関 隆志氏(大阪市立大学)
 3月12日(土)から、神戸市立博物館で「大英博物館・古代
ギリシャ展(究極の身体、完全なる美)」が行われていることを
記念して、標記の講演会が催されました。
 なぜ英国の大英博物館にギリシャコレクションが多く存在する
のかについては、かつてナポレオンが次々と各国を征服しその
時に美術品を多数略奪して蒐集したことによるとかで、その後、英・仏の争いにおいて英国が優位な展開になった時、当時のトルコ駐英大使であったエルギン卿が、美術品を入手しては本国に送ったことにある由です。
 展覧会にはいくつかの見所があるようですが、今回のセミナーは「ギリシャ神話の世界」と「理想の男女の身体」が主なテーマでした。
 前者は、ギリシャ神話の神々は持物(アトリブート)により、容易にどの神かが解るとかで、たとえば最高神であるゼウスは玉杖を持ち、聖鳥は鷲、聖樹は樫であり、アテネの語源にもなった学術・戦争の守護神・アテナは、アトリブートは完全武装で、聖鳥はふくろう、聖樹はオリーブであり、またアプロディテは愛・美の女神で、アトリブートはエロス、聖なる植物は薔薇やけし、鳩・白鳥・燕等が彼女を象徴する・・・という具合です。
 後者につきましては、古代ギリシャではスポーツを重んじ、鍛えられた肉体を愛したようで、日本初公開のディスコボロス(円盤投げ)は、ギリシャ人が理想とした身体を見事に表現しているとのことでした。
 なお、この展覧会は6月12日(日)まで開かれています。