日 時 平成23年3月20日(日)
場 所 ピピアめふ
講 師 滝川好夫氏(神戸大学)
経済の考え方には大きく分けて、「古典派経済学」(長期型・
生産メイン)と「ケインズ経済学」(短期型・需要メイン)がありま
すが、どちらを採用するかではなく、どちらも大事なことである
との認識が必要です。
日本経済につきましては、東日本大震災前の懸念材料としま
しては、①中東の緊迫(中東のネット革命)、②米国の金融政策(超金融緩和)、③日本の政局(内閣支持率の低下)でしたが、これに追い討ちをかけるように先週(3/11)は東北地方で大震災が発生し、津波による水害や原発問題が出てまいりました。
この震災による損失の復興には10兆円が必要であるとの試算もありますが、日本の国家予算そのものが借金(国債の発行)に頼っている現状では、これの解決には「こども手当や高速道路の無料化等の凍結」「消費税等の増税や復興税の導入」「既存原発の安全対策の見直し」さらには「社会保障費(年金・医療・介護等)の縮小」等々、様々な提言がなされています。
経済的には、国内総生産に占める被災地の割合は、たとえば3県(宮城県・岩手県・福島県)では4%で、これはかつて阪神大震災を経験した兵庫県(3.7%)とほぼ同じですから、必要以上に問題にならないかもしれませんが、塩害による農地の土壌や原発の放射線による汚染がどの程度かにもより、随分異なるものと思われます。
ただだからと言って原発を拒否していまうと、慢性的な電力不足に陥り、経済そのものがダメになってしまうおそれもありますので、この問題は安全対策強化の方向で議論すべきかもしれません。