物語という不思議なマシン

日 時 平成23年5月10日(火)
場 所 西宮市大学交流センター
講 師 岩松正洋氏(関西学院大学)
 「物語とはなにか」について、理論的な解説をお聞きする
ことが出来ました。
 物語にはいろいろなアプローチがあり、社会から、政治から
心理から等と多岐に渡りますが、今回は「言語」とその「使用
状況」を軸にした内容でした。
 「物語」には以下の三つの用法がある由で、ひとつ目は「物語言説」と呼ばれ、字づらで語られて読者に報告され、「言葉」で出来ています。
 ふたつ目は「物語内容」、いわゆるストーリーのことで、小説では文字で表現されますが、他の表現方法としましては画像(映画やテレビ等)、お芝居(歌舞伎や新劇等)、バレエやオペラ、その他マンガでも可能なものです。
 みっつ目は「物語行為」で、語るということ、すなわちナレーションのことです。
 そして「言説」とその「内容」につきましても言及され、それは「記号表現」と「記号内容」に集約されるとのことでした。
 「物語」の内容にもいろいろな形があり、実話に基づくものはもとより、虚構(フィクション)、うそ(本人は信じていない。)、まちがい(単なる勘違い。)や仮想や予想等もあります。
 ただ、読者は作り話しと解っていても、一時的に本当として受入れるのが、「物語」というものでしょう。
 もっとも、作家もごく常識的なこと等は考えてはいても書かなかったり、思い込みによる誤りも時にはありますので、その辺は留意する必要がありそうです。