百花繚乱「こうもり」の魅力

日 時 平成23年5月18日(水)
場 所 兵庫県立芸術文化センター
講 師 日下部吉彦氏(大阪音楽大学教授)
ゲスト 佐藤路子・清水徹太郎・岡田育世・岡本佐紀子氏
 オペレッタの傑作「こうもり」のプレ・レクチャーです。
 オペレッタは日本では喜歌劇と訳し、オペラよりむつかしい
とも言われていますが、それは声量の他に踊って芝居が出来
なければ出演出来ず、その他に容姿すら求められるためです。
 このヨハン・シュトラウスⅡのオペレッタは、ヨーロッパでは年末の行事として定着しており、本場ウィーンでは大晦日の遅くから始まり、新年の0時に終わるようになっているとか。
 観客が劇場を出ると花火が打上げられ、この時ばかりはそばに居るどの女性にキスをしても許されることになっているようです。(法律でなっているわけではないので念のため。)
 今回のレクチャーは、トーク・VTR・生演奏 を交えての多角的な企画でした。
 その内の生演奏を紹介しますと、第1幕からはアイゼンシュタイン(実業家)・ロザリンデ(その妻)・アデーレ(女中)の三重唱で、各々の思惑により悲しいけれど嬉しい「8日間もあなたなしで過ごすなんて」が、また第2幕からはアデーレの「侯爵様」とロザリンデの「チャルダッシュ」のアリアが披露されました。
 第3幕からは、アデーレの「田舎娘に扮したら」で、女中から女優へ転身するための後見をフランク(刑務所長)にお願いするためのアリアです。
 このオペレッタは、オッフェンバック(「天国と地獄」の作曲家)の強い勧めにより作曲したものだそうで、これの成功により「ヴェネチアの一夜」「ジプシー男爵」等を次々と発表し、その不動の地位を築きました。
 この「こうもり」は、いろんな事は全て「シャンパンのせい」で終わるたわいもない楽しいものです。