ピア・サポートについて

◇◆自分はピア(同じ悩みを持つ仲間)であり
 サポーター(支援者)であるという意識を持つ
◆◇

先日、大阪のひきこもり支援事業をしている事業所へ
面接を受けに行って来ました。
面接室に通され、2名の面接官に面接を受けるのですが、
始まる前に、おひとりの面接官に
そっと耳打ちをさせていただきました。

「僕は、服薬していて、どうしても喉がかわきやすいので、
 面接をお受けしている時に、この(ペットボトルの)飲み物を
 飲むかもしれませんが、どうぞお許しください」

とです。
面接が終わり、さきほど耳打ちさせて頂いた方といっしょに
仕事場となる若者の居場所に案内していただくことに
なりました。

その道中、その方がおっしゃってくださいました。
「さっき、面接前に、服薬していて喉がかわくので、
 飲みものを飲むかもしれないとおっしゃっていたけれど、
 あれはよい方法ですね」

「ああ、そうですかあ〜」
などと、とぼけたお返事をしてしまったのですが…(汗)
じつは、事前にこちらの事情を申し伝えることは、
「市民事務局かわにし」の事務局長に教えて頂いたことなのですね。

以前、「かわにし」の事務所に、川西市市役所の職員さんがたが来られ、
今年度から川西市が取り組み始めた「不登校・ひきこもりサポート」について、
事務局長も含め、話し合いの時間を持ったことがありました。

話し合いの中、松尾は”平然と”マイペットボトルの飲み物を
のみはじめようとしました。そうしたら、事務局長が
「松尾くん、ダメよ」
とお止めになりました。

市役所の職員さんとの話し合いが済み、
事務局長はおっしゃってくださいました。

「市役所の方々はゲストとして、いらっしゃっている。
 そしてこちらからは、お飲み物もお出ししていない。
 そのなかで、松尾くんが堂々と飲み物をのみだしては
 いけないのよね。でも、松尾くんには服薬していて、
 喉がかわきやすいという事情がある。そのことを前もって
 先方にお伝えしてから、飲むことが大切ね」

そうなんです。だから、今回の面接では、
ちゃんと、前もって事情をお伝えしたのですね。
そのことを、面接官の方は、とっても感心してくださいました。
(松尾が考え出したことではないので、
 なんとなく気恥ずかしかったのですが…。)

ですが、こういうことが、ピア(同じ悩みを持つ同士)としての
意見であり、サポートだと思うのですね。
お医者さんや、ワーカーさんには知識と実力があります。
支援者としての経験値もありますよね。

松尾には何があるだろうと考えると、
当事者としての体験・経験だと思うのです。
自画自賛になってしまうかもしれませんが、
どんなにすぐれたお医者さんも、長期にわたるひきこもり経験や
病気の経験はありません。

だから、お医者さんやワーカーさんができないことを
当事者である松尾が行うという考え方なんです。
べつに松尾はえらくもなんともないです。
ただ、サバイバー(帰還者・生存者)なだけです。

これからもその視点を大切にして、
ピア・サポートという活動をしていきたいと思います◎