守秘義務について◇当事者◆支援者の立場で:その1

※今回は、上の記事から順にお読みください。

◇◆良いサポートは、守られるべきものが守られている◆◇

先日、大阪府豊中市のパーソナル・サポートをしている
NWでの(松尾の担当は、居場所です。)採用が決まりました。
そのさい、守秘義務の大切さを考える機会がありました。

松尾は、いわゆるプロの不登校・ひきこもり支援者として
活動をしてきたわけではなかったので、
もしかしたら、特につよく意識してきていない
部分があったかもしれません。

ですが、ヘルパーとして、いわゆるプロの支援者として
お仕事をしていて、その内容は家族にも話していません。
ヘルパーはどうしても利用者の方の生活・家庭に
入り込みます。その家庭の事情も見えてきます。
もうヘルパーは辞めていますが、現在でも
自分の中だけにとどめています。

これからは、ひきこもりの若者の居場所で、
(アルバイト)スタッフとしての生活が始まります。
非常勤ですが、時給をちゃんといただき、仕事を遂行するのですから、
今までのように、あまえは許されないのですね。
(もちろん、今までの活動での守秘義務は守ってきていますが。)

ところで、体験・経験は肥しとなり、支援者を成長させてくれます。
失敗とは本来してはならないはずですが、
どうしても失敗してしまう。その中でなにかを学びとり、
悩んだりしながらも成長していく。

支援者も当事者もそうなのだと思います。
エンパワメントとは支援者が当事者から引き出し、
かれらの力を持って、問題解決にあたるようにする
という福祉的な考え方がありますよね。

そのとおりだと思います。エンパワメントを引き出す
その関係性とは、しっかりとした繋がりのある関係性で、
一見さんとしての関係性では難しいのかなと松尾は捉えています。

守秘義務の大切さは、支援者にとってだけではなく、
当事者にとってもそうだということなのですね。
セルフヘルプグループでは、話し合いなどのまえに必ず、
「ここでの話は、外では話さないでください」
という前置きをします。

たとえば、こころの病のあるセルフヘルプグループだったら、
自分の内面や、お医者さんとの関係とか、服薬の事とか
家族関係等、恋愛のこと、内面の内面に話がおよぶこともあります。
松尾も当事者として活動してきて、
大勢の方の内面の(ナイーブな)話をうかがってきました。
もちろん、家族にも話はしていません。

エンパワメントとは、促す部分も多くあるのでしょうが、
一方的なものではなく、当事者側が感じ・受け取り(受容し)、
そして自分でそれら事柄をメイク(料理)をするようになる。
苦境にも対応していくようになっていく。

そこまで過程(プロセス)を促す(手伝う)サポーターが支援者であり、
共に考えれば、うながす手段・受け入れる手段も
わかってくるものなのかもしれません。

また、エンパワメントを促す側という者は、
プロとして促す・働きかける側ですので、
そのひとの状態・状況がわかっていないといけない。

空気を読むことだけではなく、
そのひとのあらゆることを感じ取り、考え、実行する…
というわけですが、実際は言葉通りにはいかないかと思いますし、
人間同士の行うことですので、計算通りにはいかないでしょう。

人間同士のしっかりとした関係性を持ち、つながり、
そのうえで、徐々にそのひとの持つ力をたくわえ、回復させ、
そしてそのひとが生きやすくなるように
寄り添うように、ともに考えるように、いっしょになって
課題を少しずつ解決していく。
(PSと)つながりのある各連携機関に相談やNWMを行う。
パーソナルサポーターとは寄り添う支援者だと、松尾は理解しています。

そのために必要な情報を支援者同士で共有するという
もうひとつの守秘義務:情報共有という意識がなければ
第一義にある、必要な支援というものができないかと思うのですね。
『必要な情報は支援者同士で共有する』
この考え方は、当事者にとっても大きなプラス→必要なことだと考えます。

最初に戻りますが、その過程を踏もうと思ったら、
PS(寄り添うサポーター)はじめ支援者に、
相当な個人情報というものがわかってくると思います。
その大切なプライバシーを絶対に他言しないという姿勢が
支援者には求められるのだと思います。

続きは下記にて。