日 時 平成23年5月28日(土)
場 所 大社公民館
講 師 山内英正氏(甲陽学院高校教諭)
万葉集のうち、壬申の乱から奈良遷都までの歴代の天皇の
御歌を紹介していただきました。
すなわち、40代・天武天皇(大海人皇子)〜41代・持統天皇
(天武の皇后)〜42代・文武天皇(天武の孫)〜43代・元明
天皇(文武の母)〜44代・元正天皇(文武の姉)〜45代・聖武
天皇(文武の皇子)〜46代・考謙天皇(聖武の皇女、後に重祚して称徳天皇)〜47代・淳仁天皇(天武の孫)までです。
天武天皇の御歌は万葉集には短歌三首、長歌二首があり、それは壬申の乱で勝利するスタートとなった吉野に関するもので、ひとつの例として「淑き人の 良しとよく見て 良しと言ひし 吉野よく見よ 良き人良く見」(卷一・二七)等々です。
持統天皇の御歌は百人一首でもおなじみの「春過ぎて 夏来るらし 白たへの 衣干したり 天の香具山」(卷一・二八)他でした。
文武天皇は短歌一首が、元明天皇は短歌2首が、そして元正天皇は短歌四首他があります。
また聖武天皇の世になりますと天平時代に入り、紹介の御歌も雅で「今朝の朝明 雁が音寒く 聞きしなへ 野辺の浅茅そ 色付きける」(卷八・一五四〇)となりました。
考謙天皇は短歌二首他が、また淳仁天皇はわずか短歌一首のみですが、これは藤原仲麻呂の変で淡路島に幽閉されたことも影響しているのかもしれません。
最後は追尊天皇(本来天皇になるべきが、実際はなれなかった人)のお話しで締めくくられました。