ピーターパンの時代とその影響

日 時 平成23年6月4日(土)
場 所 大手前大学
講 師 神宮輝夫氏(青山学院大学名誉教授)
 ピーターパンと言えば、今では映画やミュージカルでしかお目
にかかれませんが、元々は20世紀に書かれた児童文学です。
 内容は、ケンジントン公園で乳母車から落ちたピーターが迷子
になって年を取らなくなり、ネヴァーランドに移り住んで、冒険の
日々を送る永遠の少年の物語です。
 このマジックアドベンチャーは評価が分かれており、特に評価をしない人の多くは心理学的な分析をする人達だそうです。
 この物語が20世紀初頭に与えた影響は大きく、イギリスの児童文学の作家達は、ファンタジーが合理主義者の人生観を変えることの出来るものと理解を深めていたようです。
 この時代の児童文学には、①鋭い感受性、②クリエイティブな表現力、③普遍的なテーマがあったとか。

一方 日本の児童文学には、ファンタジーとか自然とかをそれ
ほど注視するのではなく、それよりも子供達にもっと訴求したい
ことがあるという気概の感じられる作品が多いようです。
 お互い「井の中の蛙」になることなく、他国の作品をもっと知っ
ておくということが必要なのかもしれません。
 (右上の写真は、ケンジントン公園のピーター像:ネット)