長期ひきこもりにとっての就労への捉え方について:その1

※今回も上の記事からごらんください。

◇◆大なり小なり、
 医療を受けながらの就労への道となる
◆◇

精神科医の斎藤環さんがおっしゃっていますが、
長期のひきこもりから立ち直るのはかなり困難で、
親は親亡き後のこと、ひきこもる我が子を
サバイバルさせることを考えなければならない

これはとても(シビア)現実的な見方ですが、
事実でもあるかと思います。
もちろん、あきらめる必要はないと思います。
別に奇跡にすがるのではなく、現実的に見て
医療・福祉・教育を柱としたトータル的なサポートを受け続ければ
ひきこもり状態から回復するのは不可能ではないし、
可能なことだと思います。

斎藤環さんは、今からすぐにでも(行政が主体となり)手段を
打っておかないと手遅れになるよ。
その時が来てからでは遅いんだよ
ということも言いたいのだと思います。

少しずつ、行政(政府)が手段をうちつつありますが、
まだまだかなと当事者として感じています。
「まだまだ時間はあるから」ではなく、
あっという間に時が経つということを
私たちは理解しなくてはならないかもしれませんね。

さて、本題にはいります。
長期(10年以上)にわたるひきこもりにとっての就労とは…
というより、もうその段階になると『生活』の
段階の話になってくるのかと思います。

厳しい見方ではないと思います。
この見方すら、あまいのだと思うのです。
長期ひきこもりとは深刻な状況です。
なかなか表に出て来ないから、なおさら深刻です。

家庭内で何とかおさえているのでしょうか?
福祉というフィールドに頼っているのでしょうか?
福祉に向かえば、まだ良いのではと考えます。
家庭内でおさめている状態が多いかと思うのですね。

「いったい、どうしていけばいいのだろう?」

親御さんの悲痛な叫びであり、
本人さんにとっても、ただヤル気がなくダラダラと毎日を
過ごしているわけではけっしてなく、
「何とかしなくては」と考えてはいるのですが、
長期になると「鬱」等精神疾患になっていることも多く、
本人に「やる気を出して」と言っても
思う通りにいかない部分もあります。

そう、医療と福祉的なサポートなり、民間団体のサポートなり
第三者の介入が絶対に必要になるかと思います。
松尾のケースでいえば、千葉県の柏市で
10年間自宅でひきこもり、病気を発症していました。
(松尾の場合は、家から一歩も出ない、完全ひきこもりでしたので
 ひきこもり3年目あたりから、発症していたと思います。)

最初は、医療のサポート(と考えた方がよいのでは)を受けました。
そして、宝塚市に引っ越してきて、医療のサポートも受けながら、
地域の保健センターのデイケアに通い始め、そのうち社会福祉協議会の
サポート(いわゆる福祉ですよね)を受けるようになりました。

その頃は、通信制の高校に通っていましたので、
月に1,2度学校に通い、自宅で勉強もして、
そして同じこころの病を持つ仲間とおしゃべりをしたり、
セルフヘルプグループに参加したり、
社協のプログラムであるグループワークにも
参加するようになりました。

たびたび言わせて頂くことですが、
人間同士のすることですので、
いつも仲が良いというわけではなく、
仲たがいもありますし、ウマが合う合わないももちろんあります。

そんなこんなをして、医療での治療による病状の回復もあり、
そして社会的な成長もしていく—来たのではと思っています。
10年なり長期のブランクがある場合のソーシャルスキル等
社会的常識の欠如はどうしようもなくあり、
ですがそれはトレーニングにて埋めていくことが
できるものだと思っています。

さきほど申し上げた、福祉フィールドによるグループワーク、
その前の段階でしたら、ご家族と電車なりで出かけてみると
いうのも良い方法かと思います。
(ご家族の理解と応援は回復への大きすぎる要素です。)

というわけで、下記に続きます。