日 時 平成23年6月10日(金)
場 所 宝塚西公民館
講 師 辻 弘氏(兵庫教育大学名誉教授)
13世紀〜15世紀にかけてイタリアで起こったルネッサンスは
どのような経過を経て花開いたのでしょう。
ルネッサンスの起こる直前は「中世」と呼ばれ、その前は「古代
ギリシャ・ローマ時代」と位置付けられましょう。
古代ギリシャの文明は、紀元前2000年頃エーゲ海のクレタ島
に始まりますが、これは当時栄えていたエジプトに近いことから、当然の成行きと言えます。
その後、ミケーネ文明→ポリス時代を経て、マケドニアに敗れるまで続きます。
古代ローマはポエニ戦争時にギリシャの植民地(シチリア)から芸術を持ち帰り、これを取入れます。
しかしローマは東西ローマ帝国の分裂等によって没落し、中世を経て世の知識人達は「古典古代文化の復興」という思想を唱えるに至ります。
結局 当時メジチ家に代表されるように、フィレンツェで商売が
盛んになると芸術もまた回復し、ギリシャ・ローマの模倣にと
どまることのない自然美等が再発見され、それがこの中部商
業都市で芽生え、発展いたします。
様式も、バジリカ形式(右の写真:ローマ)〜ゴシック風(ミラ
ノ大聖堂等)〜ロマネスク(ピサ聖堂等)→ルネッサンス(再生)
へとひた走ります。