涼宮ハルヒと村上春樹文学

日 時 平成23年7月9日(土)
場 所 大手前大学
講 師 土居 豊氏(作家・文芸レクチャラー)
 標記は一見 関係がないような組み合わせで、「ハルヒ」と
「ハルキ」のゴロの良さだけが目立ちますが、谷川流のアニメ
「涼宮ハルヒの憂鬱」と村上春樹の文学作品には、下記のよ
うな共通点があり、関西人にとっては何となく親近感を持って
しまうのではないでしょうか。
 ・その1:舞台として阪神間の土地を描いていること。
 ・その2:どちらもSF的作品であること。
 ・その3:典型的な青春小説作品であること。 ・・・・・です。
 具体的(その1の場合)には、ハルヒに出てくる鶴屋山(鶴屋家は土地持ちの裕福な家庭で、子供がハルヒと同じ高校に通学している。)と、村上作品の「海辺のカフカ」に出てくるお椀山(作中では山梨県になっている。)は、いづれも甲山をイメージしていること等があげられます。
 またどちらも要所でクラシック音楽を登場させていることにも注目で、ハルヒのアニメではチャイコフスキーを、前述の村上作品の「海辺のカフカ」ではベートーヴェンをされげなく使用しています。
 結局 谷川 流の描いた上ヶ原(西宮市)の雰囲気や阪神間の高校生たちの気分は、村上春樹が描いた阪神間の若者の姿と重なるところが、一番のリンクではないでしょうか。