ゴシックから初期ルネサンスへ

日 時 平成23年7月22日(金)
場 所 宝塚西公民館
講 師 辻 弘氏(兵庫教育大学名誉教授)
 ルネサンスとは「再生」の意で、中世になるとローマ時代の
ように生まれ変わろうとする気運が高まるのですが、ローマ
時代は古代ギリシャの影響を強く受けていたため、結局は
ギリシャ文化をローマ風にアレンジしたような・・・ということに
なるのでしょうか。
 この頃になるとゴシック様式が台頭してきますが、この様式は尖塔アーチ等の採用により仰高性を強調したもので、フランスやドイツを中心に展開されます。
 なおこれ以前をロマネスク(ローマのような・・・)と呼ばれていました。
 中世の美術は主に建築と彫刻がメインで、絵画はこれらより格下の扱いであって、ミケランジェロやダ・ヴィンチ達が出現するまでは日の目を見ることはほとんどありませんでした。
 中世の建築物(イタリア)は、ロマネスク様式ではピサの大聖堂や斜塔等、またゴシック様式ではフィレンツェのサンタ・クローツェ聖堂や花の聖母寺(サンタマリア・デル・フィオーレ)が、彫刻はニコライ・ピサノのピサの大聖堂洗礼堂やロレンツォ・ギベルティのサン・ジョヴァンニ洗礼堂の聖堂扉等があげられます。
 これが初期ルネサンスと呼ばれる大変革の基礎で、この後中世美術の絶頂期(13〜15世紀)へと突入していくことになります。