当事者グループについて:その2

◇◆問題は病状の悪い時の関わり方・関われ方◆◇

見出し文の通りなのですが、
病状の良い時は、それこそバイトだって、
恋人とかだって見つかるかもしれないですよね。
世の中って、そんなものです。

でも、病状・体調の悪い時の、
自助グループでの関わりってどうなんだろう…?
うまくいくのでしょうか…?

「障害者が障害者を差別する」
という言葉があります。
本当にそのとおりなのですが、
障がいの軽度の人間が、重度の人間を差別する、
ということは常にあることであり、
障がい者だから、弱い者イジメが嫌いで、
「そんなことは間違っている」精神に充ち溢れているかといえば
けっしてそうではありません。

もちろん、すべての方がそうではないのですが、
場合によっては、人間くさいほど、人間くさくなります。
人として悪いとかそのような問題ではなく、
人間として一番ナイーブないじめられ方をされてきたり、
その部分を常に思考してきているので、
どうしても敏感になるのでしょうし、
自分の立ち位置の不具合とか、弱さ・しんどさを抱えていると、
さらに弱いものを”こさえあげて”攻撃したくなります。

それは、健常者と呼ばれる人間たちもそうなのであり、
自分の立場、強みと弱み、自分より上の者と下の者を
常に意識しているのだと思います。
理屈ではどうしようもない、どうすることもできない
人間として当然持つみにくい部分なのだから、
あえて否定する必要もないのではと考えます。
(機会がありましたら、道尾秀介や貫井徳郎の小説をお読みください。
その辺りの心理状況:エッセンスが書かれてあります。)

少し話題は、ずれるかもしれませんが、
以前、ある著名な英国人のインタビューで、
「自分は下層階級に生まれ育った人間だから、階級意識はとても強い」
と話していました。

その通りだと思います。
その英国人は、ヨーロッパ系(白人)でしたが、
移民系(インド系、アフリカ系、イスラム系、アジア系)にたいして
とても強い偏見を持っているのでしょうし、
だからといって、彼を批判できる要素は全くありません。

それは、松尾がアジア人(黄色人種)だから、
ヨーロッパ系人種を批判できないのかとか、そういう問題ではなく、
一人間としてであり、この人間社会で生きているなかで
差別(イジメのひどいもの)にたいして、どのように考えていくのか、
という問題だと捉えて申し上げています。

何をお伝えしたかったかというと、
人間は弱っている・苦しみの状態で育つと(居ると)、
どうしてもネガティブというより、心そのものがすさんでいく。
そうなると他人(特に自分より弱いもの)をいじめたくなってしまう。
それはどうしようもない人間の持つ心理(真理)なのですね。

そして話を戻すと…そのさいの(悪い状況下での)
自助グループの関わりについてなのですが、
そのような時もあるということを鑑み、
どうしても取りまとめ役が要る=人徳のある人物という結論に達します。
自助グループには取りまとめ役が必要です。
(どの組織でもそうだと思いますが…。)

みんなが身勝手に行動すると、どうしても誰かを攻撃したり、
無視したり、そのほかにも、他のメンバーが居心地の悪くなる状況って
出てきてしまうと思います。

ちなみに松尾の職場では、スーパーバイザー(専門家)がちゃんといて、
軌道修正をします。(そのスーパーバイザーから
「グループダイナミクスの理論」を習っています。)
そして、神戸の自助グループですが、二名ほど取りまとめ役がいます。
一名は元当事者の取りまとめ役、もう一名は専門家です。
(だから双方の組織とも、大いなる可能性があると感じられ、
松尾も大好きな場所なのです(^^))

このように取りまとめ役がいれば、
体調が悪いメンバーがいても、まとめ役中心に配慮してもらえるかと思います。
それぞれの個性は十分に大切にしながら…そうすべきところはしっかりとまとめる。
という「自助グループ」なり「組織」への考え方でしょうか…。

もちろん、言葉通りには物事って運ばないものですし、
さまざまな問題点から、いろんな裂け目、不具合って出てくるかと思います。
だから個人の気持ちが重要になってくるかと思います。
「当事者グループ」はけっして個人のものではありません。
みんなでコツコツとつくりあげていくものだと考えます◎