阪神間の近代建築

日 時 平成23年10月7日(金)
場 所 芦屋公民館
講 師 足立裕司氏(神戸大学教授)
 江戸時代まで阪神間は田園地帯でしたが、明治維新を迎え西洋
化の波が押し寄せると建物や街の景観が変化してきました。
 たとえば神戸でも当初兵庫鎮台は兵庫の津にありましたが神戸港
近くに外国人居留地が出来、貿易が盛んになるにつれて中心地は
西へ西へと移り、街並みも古さと新しさが調和するようになります。
 そこに建つ数々のオフィスも本格的西洋建築物が多く見られるようになりました。
 もっとも、日本人は総称して”本格的西洋建築”といいましたが、外国人は”バロック”だの”ネオルネッサンス”等と細かく分けて表現しますが・・・。
 写真は、ある日本人が描いた外国人居留地の風景画(版画)ですが、なんとなく柱頭や窓のアーチ等を強調しているのが見てとれ、特徴を出そうとしているのがよく分かります。
 そして、住宅もまた変わってきました。それでも明治時代はまだ洋風のものはほんの1%にみたなく、和風住宅が大半でしたが、大正時代に入ると新しい文化住宅や和洋折衷が試みられるに到ります。
 また昭和時代・戦前はモダニズムが追及され、戦後はRC造(鉄筋コンクリート)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)の住宅が増加してきました。
 現代はといいますと、多様で住環境を考える時代だと言えるのではないでしょうか。