美を語る 「神は細部に宿る・唐時代美術の魅力」

平成23年10月14日(金) 午後の部で実施
場所:兵庫県民会館
講師:公益法人 白鶴美術館 山中 理 様
神しかいない日本に仏教を伝え、文化的に多大な影響を
受けたのは隣国の中国であります。山中氏は「唐時代銀器、
唐鏡」を中心に唐時代の調査研究を行っているそうです。
 我々も概略は知っていますが、538年百済から大和政権に
伝えられた仏教は、587年に崇仏派の蘇我氏が廃仏派の
物部氏を倒した事件ののちに、本格的に日本に定着いたします。蘇我氏は飛鳥寺を日本最初の本格的な大伽藍として完成させました。この仏教の伝来は「単なる宗教の伝来というのではなく、一つの新しい最大の文明の渡来であり」ました。その後6世紀末から蘇我馬子・聖徳太子らは次々と新政策を行いました。そして705年唐が再興され、唐は最盛期を迎えることになります。
 近年の作では、室町時代後期から桃山時代にかけて活躍した、関東水墨画壇の雄・雪村(1504年頃〜)の「鷹山水図屏風」を鑑賞する時(向かって左側の柏の古木に止まる親鷹が、右のほうで鴨に襲いかかる子鷹をじっと見守っています)このように昔の人は鷹と身近で「鷹匠」という立派な仕事がありました。
 日本の美術品は、明治時代以降は評価が低いときもあり、作品は海外に流出しましたが近年は再評価され、東京国立美術館で展覧会も開催されています。