東京シューレの奥地さんを中心に「不登校新聞」が発行されて13年、名前もFONTEと改められ、今も毎月2回発行されている。以前は神戸フリースクールも「神戸支局」として販路拡張を命じられたが、あまりいい働きはできず、兵庫県内の購読者に大きな変化はない。しかし、いまも真剣に編集人らが、不登校の現実を見極め、あるべき教育の姿を発信し続ける努力には頭が下がります。ぜひ一度手にとってご購読ください。
今回、10月15日号のコラム「かがり火」に書かれた奥地さんの文に、こどもの自死を防ぐ重要な手立てが書かれていたので、紹介します。
(本文) 「・・・しかし、報道されただけでも、北海道・東京・鹿児島・三重などの各地で中高生の自死が相次いだ。これらのケースは、2学期の始まりやその前後に生じており、学校生活の開始がどれほどの苦しみであったかを感じさせる。そして、問題とされるのは、たいていの場合、「いじめがあった」「なかった」「隠している」など、いじめに焦点があてられる。しかし、自死を防ぐには、もっと重要なことがある。「学校は休んでいい」「行かない道もある」「学校以外でも成長できる」ということが、子どもに知らされていないことだ。どんなにつらくても登校するべきという価値観のもとでは、子どもは死ぬしかなくなる。学校へ行くことが最善の利益だとは言えないのだ。しかし、文科省の不登校政策は、「学校復帰を前提とする」であり、40年間変わっていない。民主党政権になって2年、不登校政策はほとんど前進していない・・・少数派の事情にまで手をつけるわけにはいかなかったのかもしれない。それじゃ困ると、私たちももっと声をあげようではないか。」
民主党さん、どうか息苦しい思いで登校している子どもたちを忘れないでください。教育がこのまま変わらないかぎり、子どもの自殺はへりません。多様な時代には、多様な教育が必要なのです。いつまでも文科省が管理監督する一元化教育にこだわらず、自由教育を推進するフリースクールなども認める時期に来ていると思います。保守化、右傾化する教育に歯止めをかけ、民主主義が貫徹されんことを望んでいます。