今回は、いつもの「ほっと(やすらぎ)ニュース」ではなく、「ホット(熱い)ニュース」です。
緑を守るため、皆さんのご協力が必要となってます。
★ 箕面の市街地で、初めて発生 ★
里山や竹林を取り込んだ大きな公園=箕面東公園(2.7ha。箕面市粟生新家(あおしんけ)2丁目)で、樹木の伝染病「ナラ枯れ」が見つかりました。
昨年、吹田市の万博公園でも見つかっており、警戒中でした。
地元の自治会長さんから、市への連絡があったそうです。
太いコナラの木で、この夏頃に枯れたようです。
箕面市は伝染を防ぐため、直ちに病気を広げない最も効果的な方法として切って燃やすとともに、残った切り株にもビニールをかぶせ薫蒸(くんじょう。薬剤による消毒)をしました。
今まで「ナラ枯れ」は箕面の山中で見つかっていたのですが、今回は市街地での初めての発見でしょう。
【写真】箕面東公園のエントランス付近。正面の向こうの森で「ナラ枯れ」が発生。
★ “ドングリの木”が危ない! 公園や鎮守の森で・・ ★
「ナラ枯れ」は落葉樹・常緑樹を通じて、コナラ・アラカシなど“ドングリのなる木”がかかります(ブナ科の樹木。但し、ブナはかからない)。
もともと昔からあった病気だそうですが、20〜30年ほど前からなぜか日本海側一帯で大流行し、それが京都府などを経て伝染・南下し、大阪府では既に北端の高槻市が“全山 枯れ木”状態のところが発生しています。
昨年は箕面の山に到達、数本が発見され直ちに処理されましたが、それをかいくぐって今年は数十本に広がっています。
それが、ついに箕面の市街地の公園にも飛び火しました。
今後も、市街地の公園・鎮守の森・庭木などに広がるかも・・。
★ 小さな“穴”や“白い粉”・・「ナラ枯れ」の目印 ★
「ナラ枯れ」は、木の幹を食べる体長5mmほどの小さな虫(カシノナガキクイムシ)が特定の木に集中し、直径1mmの穴を多数開けます。
また、虫が削った白っぽい粉(木くずなど。フラス)がこれらの穴からあふれ出て、時には根元に白く降り積もります。
【写真】箕面東公園で「ナラ枯れ」で伐採されたコナラの切り株(矢印。ビニールをかぶせて薫蒸)。
写真右上=約1mmの穴が開き、白っぽい粉が吹き出している様子(ナラ枯れ被害を受けたもののまだ生存している別の木。NPO山麓委員会のナラ枯れプロジェクトチームが確認中)。
多くの場合は、葉が枝に付いたまま(落葉ではなく)しおれてこげ茶色になり、木は枯れます。
まわりが緑の中で多くの枯れ葉をつけた枯木になるので、非常に目立ち、何十本にも広がればさわやかな緑の樹林風景がイメージ・ダウンです。
なお、樹木が枯れるのは、虫が餌として持って入る菌類(ナラ菌)が木の中で大量に増え、樹木内で目詰まりを起こし水分の上昇を止めるためです。
虫は木が枯れても産卵と孵化(ふか)で増え続け、翌年の初夏には太い木では1万匹にもなるといわれる多くの新成虫が飛び出し、仲間の虫の出す臭い(集合フェロモン)などに誘われて新たな樹木に集中します。
これを繰り返して、数年後には集団的な枯れ木群になります。
★ 大切な「早期発見」と「徹底的な対策」 ★
「ナラ枯れ」の広がりを防ぐには、「早期発見」と生存被害木を含む「徹底的な対策」とが大切です。
遅くとも、新成虫が飛び出す来年の初夏(6月頃)までに処理する必要があります。
多くの市民の目で探すのが、有効です。
もしどこかで「ナラ枯れ」らしい木を見つけられたら伝染病なので、山でも街でも迷わず民有地を含めすぐにご連絡ください(下記へ)。
みんなで、緑を守りましょう!
連絡先:
大阪府 北部農と緑の総合事務所(茨木市内)・緑地整備課
箕面市・農とみどり政策課
NPO山麓委員会
【参考情報−林野庁HP】
http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/naragare.html