美を語る 「丹波焼の美」

平成23年11月4日(金) 午後の部で実施。
場所:兵庫県民会館
講師:兵庫陶芸美術館 学芸課長 長谷川 眞様
 丹波焼は瀬戸、常滑(とこなめ)、信楽、備前、越前とともに、
日本六古窯の一つに数えられています。その発祥は平安時代
末期から鎌倉時代のはじめと言われています。桃山時代までは
「穴窯」が使われていましたが、慶長16年(1611)ごろ
朝鮮式半地上の「登り窯」が導入され、同時期に取り入れられた
蹴りロクロ(日本では珍しい立ち杭独特の左回転ロクロ)とともに、伝承技術を今日に受けついでいます。
 当初は、壺や甕(かめ)・すり鉢などが主製品でしたが、江戸時代前期、小堀遠州等の指導により、茶入れ、水差し、茶器などの茶器類に多くの名器を生み、後期には篠山藩の保護により、名工達が腕を振るって、丹波焼の名を高めたそうです。
 名称については、穴釜時代は小野原焼き、登り窯時代になってからは、「丹波焼」又は「立杭焼」と呼ばれてきましたが、昭和53年からは、「丹波立杭焼」という名称で、食器、花器等の民芸品を中心とした作品作りを行っており、また作品の即売会も行っているそうです。
 余談になりますが、舞台で使われている(通い徳利)は殆んどが「丹波焼」だそうです。