日 時 平成23年11月26日(土)
場 所 神戸女学院
講 師 金田知子氏(神戸女学院准教授)
アフリカでのフィールドワークから、現地人のつながり合い
助け合って生きている姿を紹介していただきました。
氏は精神障害者の研究を長年されておりましたが、ある時
ナイジェリアでタクシーの前を裸の成人男性が横切るのを見て
運転手に質問しますと、精神異常者であるとのこと。
そこでナイジェリアの近くの国・シェラレオネでフィールドワークを開始した由です。
シェラレオネは元々英国の植民地でしたが、1961年に独立したものの内戦が絶えず、人々は疲弊して人間開発指数(経済・教育・・・)は世界でも最下位だったそうです。
ここの内戦の特徴は、①ダイヤモンドをめぐる紛争(武器調達の資金)、②子供兵の活用(洗脳しやすい)、③民間人への残虐な暴力(現政権の負担増)で、そのためにドラッグ中毒者もかなり出たようです。
しかしこのような状況下ても、元気な人は物乞い等をしながら全員でものを分け合う姿がありました。
これはモラル・エコノミーという概念だそうで、合理的な経済活動では説明できないような道徳観を伴った経済活動である由にて、さしづめ「情けは人のためならず」というところでしょうか。
それには①生活維持の権利の保障、②互酬性の規範(助け合い)が前提にあるとのことでした。
生活戦略のひとつとしてつながり合っていることが、「福祉サービス」「セフティーネット」になっています。