阪神地域の風土と文化

日 時 平成24年1月14日(土)
場 所 フレミラ宝塚
講 師 田辺眞人氏(園田学園女子大学名誉教授)
 阪神地域は先史時代にはもう人々が住み始めていて、これは
埋葬品等の考古学資料から裏付けられています。
 先史時代とは、石器(仁川高丸遺跡等)・縄文(安倉遺跡等)・
弥生(五ヶ山遺跡等)・古墳(長尾山遺跡等)時代を言います。
 やがて古代に入り、大化改新によって律令国家の道を歩みだし
公地公民等が行われて「国ー郡ー里」の組織化が進んで、阪神地域にも川辺郡や武庫郡等が出来ますが、その後土地の私有化(荘園)が顕著となり、これを守るために自警団(武士)が誕生します。
 今年のNHK大河ドラマ「平清盛」では、武士は当初「王家の犬」とさげすまれますが、やがてその武士の棟梁・清盛は天皇に次ぐ位である太政大臣にまで昇りつめます。
 太政大臣は常設の位ではありませんが、皇太子と同格の位であって、因みに天智天皇時代には皇太子の大海人皇子に対して大友皇子が、また天武天皇時代には皇太子の草壁皇子に対して大津皇子が各々指名されており、歴史的に見ましてもたいへんな位であることが想像できます。
 ただ清盛は遷都に固守して福原(神戸)に都を移しますが、後の源頼朝(鎌倉幕府)や徳川家康(江戸幕府)は都とは距離をおく政策をとっていることから、ここに清盛の限界が見えるようです。
 なお、近々に平家(神戸)と源氏(川西)の手打ちが行われるのではとのことでした。