『自分らしさ』の捉え方が、これまでのジェンダーバイアスからの解放ではなく、
『自分の価値を高めること』に力点がおかれるようになっています。
その価値とは、いわゆる『商品価値』です。
つまり、ジェンダーバイアスが強化されているという逆行が起こっているのです。
最近のファッション誌が特集する『フェミニンスタイル』を見ていてもわかります。

今流行している『自分らしさ』は、古典的な性別役割に回帰しています。
それが良いか悪いかはさておき、その時代の中で生きている私達は、
いやおうなしに時代に翻弄されてしまっています。

要するに、これまでのジェンダーバイアスから解放された自分らしさと
ジェンダーバイアスのかかった新たな自分らしさの狭間で、
価値観が揺らぎ、関係性がとても複雑になっているのです。

それが子育て世代なら、日頃の子どもとのかかわりに影響しないわけはありません。
最近、子育てがしにくくなったというのは、『自分らしさ』の変容が
大きな影を落としているのかもしれない、そう思うのは私だけでしょうか・・・