橋本武さんの取材記を書くために、
いただいた、本や手記類を読み込む日々。
ワープロ全盛の時代にあって、
懐かしいガリ版を使った手刷りの文集。
(右のイラストは『折々のうた』第九集の表紙と
裏表紙に使っている青蛙の蔵書票)
90歳から突如始まった、
男一人の老いの生活が五七五七七に読み込まれている。
例えば、
一休み一休みとて 休みつつ
家事をごぞごぞ こなす日もあり
生きるとは この世にうけし持ち時間
悔いを残さず 使ひきること
あれあれで通じる妻が居なくなり
ひとり言する 癖のつきたる
老いの日々のこころの動きはどういうものか、
なかなか知ることができない。そういう意味でも、
橋本さんのこれらの手記類は貴重だ。
ぜひ、百歳を超えるまで書き続けていただきたいと思う。