子育て生活応援団(石川県金沢市) vol.1

昨年末には、二度ほど加賀百万石の城下町、石川県金沢市に行く機会に恵まれた。冬の金沢というと蟹や鰤などを連想するのは私だけでないと思うが、一度目の訪問の日は、なんと蟹の解禁日であった。東京ではあまり馴染みのない「こうばこ蟹」に舌鼓をうったことは深く印象に残っている。
 私が金沢に訪れた第一の目的は、こどもの城で実施している「子育てネットワークによる小・中学生交流事業」の打ち合わせだったが、せっかくの金沢訪問だったので久しぶりに「子育て生活応援団」(http://happy-mam.hiho.jp/ouendan/)の活動を見学させていただいた。「子育て生活応援団」は元々は多胎児のための子育てサークルからスタートをして、金沢市の子育てサークルをネットワーク化し、更に、市内で子どもたちのために活動をしているさまざまな団体や個人ともネットワークをつくり、現在の形になっている。子育てサークルのネットワークが核となっているが、他の子どもに関わる団体・個人も参加しているため男性が多いことも特徴的である。「子育て生活応援団」では、基本的には「たすけて隊」と「お助け隊」「応援し隊(賛助会員)」とがあり、支援を必要としている人と、支援をしたいと考えている人とを結び付けている。まさに市民の相互扶助的な活動であり、多くの地域で参考にしてもらいたい。また、子育てネットワークが、幅広い分野の団体・個人とつながることは望ましいことだが、このことにより、ネットワークとしての機能が低下したり、加入団体の総意がないと身動きが取れないということではまったく意味がない。子育て生活応援団では、定期的な研修・勉強会を行って、コンセンサスを図っているようである。

「子育て生活応援団」では、金沢市からの委託を受け、JR金沢駅の駅ビルにある「金沢駅こどもランド」を「つどいの広場」として運営している。NPOなどの法人格を持たない、市民の任意団体がつどいの広場事業を受託することは珍しく、子育て生活応援団はその第一号でもある。地道に継続してきた活動の実績が地域で認められたからこそ、受託できているのである。
 また現在では、市内にある金沢21世紀美術館の保育ルームや金沢市教育プラザ富樫(http://www.togashi.ed.jp/index.html)の子育て広場などの運営にも携わっている。