中平です。
今、学校は春休みに入り、職員は新年度準備を行っています。そんな中、長野市内の2つの中学校で、当然来年度も存在するだろうと思っていた選択美術の授業がなくなってしまうという情報が入りました。
確認すると、確かにその2つの中学校では、来年度の選択授業に美術は含まれないことが決定したそうです。原因は、生徒数と教員数の関係から、必修授業をめいっぱいもった美術の先生が、担当クラス数超過になってしまい、選択美術を削らなくてはならなくなったためだそうです。
いろいろな事情があることはわかりますが、いわゆる五教科の教員数は、習熟度別授業や少人数授業の充実により増えているのですが、美術教師は決して増えることはありません。先日も将来美術教育が消えるのではないかという危惧を書きましたが、静かにそして確実に、エピローグが始まっていることに危機感を強めます。私自身も、いつそういう場面に直面するとも限りません。
美術教師は、もはや必修授業で他の教科と同じ事をやっているだけではだめなのです。当然、通常の常識的な仕事は確実に行い、それプラス美術教育のすばらしさをアピールする仕事が必要になっているのです。選択授業の美術は、いろいろ可能性を含んでいる大切な時間です。
写真は、平成15年度3学年選択美術の生徒作品を、長野市にある「もんぜんぷら座」という場所に展示した「光の美術館」の様子です。こうした外へ出て行く美術の授業は、必修授業よりも選択美術の方が融通が効きます。我々美術教師や美術教育に携わる人間は、この現実をしっかり受け止めていかなければなりません。