性的な被害に遭った人たちの恢復について

性犯罪について(3)に性産業従事者、加害者、性犯罪の人が持つ被害体験について書きました。

このように書くと、性的な被害を受けたら、必ず性産業従事者、加害者、性犯罪になるのか?
と受け止められるのですが、決してそうではありません。
むしろ、そのような行動に出る人の方が少ないのではないでしょうか。

多くの場合は、
 自らの生命、身体を傷つける
 食べること、買い物、薬、セックス、人などに依存する
 何らかの精神疾患
 対人恐怖
 悪夢
 妄想、幻聴
 乖離
などの症状が重複して現れます。
(性産業従事者、加害者、性犯罪者にもこれらの症状があることが多いでしょう)

それらの症状によって、二次的な問題として、
 引きこもり・不登校、対人関係のトラブルなどが起こります。

しかし、恢復は可能です。恢復するためには、他者の力が必須です。
一人で抱えるのは、恢復のためにはとても遠回りになってしまいます。
性暴力被害者支援機関の相談員は、聴くための特別なトレーニングを受けています。
でも、中には相性の悪い人もいるでしょう。
トレーニングができていない人もいるかもしれません。
あるところに相談してみて、もしも思うように話せなければ、また次の機関に行けばいいのです。

万一性的な被害に遭っても、必ず恢復します。
その人の中に、恢復できる力が、もともと備わっているのですから。
「恢復」をあきらめないでください。

「性犯罪」はなかなか踏み込みにくい、難しいテーマです。
それは、「人間の性」というものが、まだまだ未解明だからでもあります。
裏文化として語れる「猥談」や産業としての「商品化された性」ではなく、
もっとおおっぴらに「人間の性」「豊かな性」「性の関係性」が表文化で語られるなら、
「性犯罪」は、悪いことだし、許されないことであることには変わらないけれど、
扱いにくいものではなくなるかもしれません。
しかし、そのことには、人それぞれの性的な嗜好を認め合うことも大事ですが、
その前に、被害者の語ることもできない苦しみを、知っていくことが最重要でしょう。
そのために、kiralaでは様々な人たちの代弁をしていきたいと思っています。