東武亀戸線は、自慢のローカル線

一昨日は、次号のために、絵の菅野先生と亀戸をスケッチ散歩してきました。
特に東武亀戸線の沿線と、亀戸七福神の周辺を歩いてみたのですが、なかなか面白い発見があったのです。

東武亀戸線は、亀戸と曳船を結ぶ間に3駅しかない小さな路線ですが、開業は意外と古くて明治37年で、そのころは東武の本線として扱われていたようです。
本当はここから大島、砂町を横断して、木場の方までつなげる線路を作りたかったようですが、いろんな理由で断念したんだとか。
電車は2両編成。乗ってしまえば、たった7分で曳船に到着してしまう、ごくこじんまりとした線路ですが、江東区と墨田区を直接結ぶ重要な足で、私も、北千住に行くときには必ず利用しています。

高架になっていないため、家や道路のすぐ横を線路が通っています。それがなかなかいい風景を生み出しているんですよね。
亀戸駅をしゅっぱつしてからすぐのところにある踏切がこれ。下が東武線で、通路の上がJR総武線。さらにその上の水色のラインが、今はもう使われていない、貨物の越中島支線です。
何か、ローカル線のあり方を象徴しているような、段差に見えます。一番上が貨物の線路ということは、かつてこのあたりでは、工場にものを運ぶ線路がもっとも大切にされた、ということなのでしょうか。
ちなみにこの通路、人がようやく通れるぐらいの高さです。
総武線は高架になっている、とはいってもそんなに高くないところが、亀戸らしくて好きですね。

線路に沿ってしばらく歩くと、亀戸水神駅、さらにその先で、北十間川を越えて墨田区に入ります。
その川の上から見る景色も、なかなかいいものです。
天気のいい日は、都心の方まで見渡せます。
何年か後に、第2東京タワーが押上駅のあたりにできるのですが、ここからだと真正面に、間近に見えることでしょう。
夜にライトアップでもされれば、このあたりが人気のスポットになるのでしょう……そうなることがいいかどうかは別として。

このまま線路に沿って歩けば、東あずま駅。
東を意味する「あずま」という名前に、さらに「東」がついた何ともいえない駅に到着しますが、そのまま、墨田区側を北十間川に沿って歩いてみました。
江東区側と比べて、何とも緑の多い、きれいに整備された場所が多いですね。
吾嬬神社や花王の東京工場、梅園で有名な小村井の香取神社までもあっという間に歩いていけます。
亀戸駅から東武線に沿って、ちょっと足を伸ばすだけで、十分楽しい、小旅行の気分になれます。

このあたりのちょっとした散歩は、次号からの新コーナーでじっくりと紹介予定。
菅野先生の、特に東武線の線路の沿線の絵を中心に、私の文章をあわせて「まち探訪」のようなものにしようと思っています。

ちなみに、写真は、亀戸4丁目の知る人ぞ知る、佐藤パンのコッペパン。
朝6時から売っていて、早く行かなければなくなってしまうという地元の名物。
菅野先生と待ち合わせする前に、買って来ました。
そのまんまか、マーガリンかジャム、ピーナッツバターを塗ってくれるのですが、懐かしい味がします。
散歩のお供に、ぜひどうぞ。佐藤パンの場所は、探してくださいね。

というわけで、ようやく、次号特集で何をやったらいいのかが見えてきました。
それと、亀戸と向島は意外と近いということが実感できる東武亀戸線を、もっと大事にしたいと思いましたね。