無理やり身体を触られたり、相手の身体を触らせられたりした時の初期的対応—保存版—

無理やり身体を触られたり、触らされたりする場合を、法律用語では
「強制わいせつ」などという呼び方をします。

一般用語では、それが起こった場所や加害者の相手によって呼び名が変わります。

 電車内では「痴漢」
 職場では「セクシュアル・ハラスメント」
 夫婦・恋人間では「DV」
 被害者が子どもで家庭内では「性的虐待」
 被害者が子どもで学校では「スクールセクシュアル・ハラスメント」

強姦と比較して、「たいしたことない」と受け取られる場合がありますが、
決してそうではありません。
被害者が男性の場合もあります。
男性が無理やりセックスさせられたり、肛門性交された場合でも、「強制わいせつ」になります。
また、加害者が女性の場合もあります。
同性から被害を受ける場合もあります。
最近は、子どもが同級生からいじめの延長で「強制わいせつ」の被害を受けるケースが
増えています。

 一人で悩まないで
 決してあなたは悪くありません

(%緑点%) 警察へ
 ・被害者が女性の場合、女性専用の相談窓口、DV相談窓口に電話をかけて相談する
 ・110番通報する
 ・警察署に行く(被害にあった場所の警察署が管轄になりますが、どこの警察署でも対応してもらえます)
 もし、担当の警察官の対応に疑問を抱く場合、担当者を変えてもらうよう希望しましょう。
 *強制わいせつは「親告罪」なので、被害届を出さないと「被害」として認定してもらえません。
 *加害者を逮捕するには、「告訴」をします。

(%緑点%) 病院を受診する
 もしも、性器への接触があった場合、傷の手当や証拠の収集のために診察を受けましょう。
 トイレに行かず、シャワーもせずに、すぐに診察を受けるのがベストです。
 
(%緑点%) 職場で被害を受けた場合
 企業には、セクハラの相談窓口が設置されているはずですので、相談してみましょう。
 あるいは、信用できる同僚、上司に相談してみるのも方法です。
 中には、相談したのにきちんとした対応をするどころか、被害者の非を責めたり、
 被害者が不利益を被ることがあります。
 その場合は、早い時期に外部の性暴力の専門機関に相談してみましょう。 

(%緑点%) 大学で被害を受けた場合
 大学内には、セクハラの相談窓口が設置されているはずですので、相談してみましょう。
 あるいは、信用できる先生、カウンセラーに相談してみるのも方法です。
 もしも、適切な対応をしてもらえなかったり、被害が続くようなら、
 早い時期に外部の性暴力の専門機関に相談してみましょう。

(%緑点%) 性暴力相談機関(行政・民間)に相談する
 一人で苦しまないで、相談してみましょう。きっと力になってもらえます。
 警察に相談しにくい場合、相談したけれどその対応に疑問がある場合、
 もっと話を聞いて欲しい場合、不安がある場合なども強い味方になってくれます。
 各自治体に「女性の相談窓口」があります。 *男性は相談できません
 kiralaの他にも民間の相談機関がいくつかあります。
 *kiralaでは男性の被害の相談も受けています。
 
(%緑点%) カウンセリングを受ける
 性的な被害を受けた場合、直後から様々な症状が出現します。
 眠れない、外出が怖い、一人になれない、人が怖い、食べられない、幻聴、妄想、
 悪夢、嘔吐、その時を思い出す物を見たり聞いたりするだけで恐怖に襲わる(フラッシュバック) 
 など
 話すのも、思い出すのも辛いでしょうけれど、話しをすることは不安や恐怖を軽減するには
 とても役に立ちます。
 警察に被害届を出そうか・・・告訴しようか・・・と悩んでいる場合は一緒に考えてくれます。
 専門的な知識を持たない家族・知人に相談して、反対に混乱してしまうこともあります。
 このような混乱を「二次被害」と言います。
 もともとの被害に輪をかけて、苦しむ場合もありますから、早めに専門家の力を借りましょう。 
 ただし、一般の臨床心理士やカウンセラーは、性に関する相談を受けない場合が多いので、
 被害の詳しい話をする前に「性暴力被害の相談は可能ですか?」と尋ねてみましょう。

(%緑点%) 弁護士に相談する
 警察に単独で行ってももちろん対応してもらえますが、
 あらかじめ弁護士に相談し、代理人になってもらうとスムーズに行く場合が多いです。
 まず、被害の状況、証拠、相手との関係性などをかんがみて、法的にどのような措置がとれるかを
 説明してもらえます。
 大きく分けて3つの方法があります。
 ①刑事告訴(加害者を罰して欲しいと訴えること)
 ②民事提訴(慰謝料、医療費などの賠償金を請求する)
 ③和解交渉(裁判をしないで加害者と話し合いをもつ)
 被害状況や証拠状況などによって、とれる手段に限界がありますし、
 それぞれリスクやデメリットもありますので、
 どのような方法がとれるかを、弁護士としっかり相談して決めましょう。 
 最終的に決めるのは被害者です。
 弁護士なら誰でも引き受けてくれるとは限りません。
 性暴力相談機関に相談すると、性暴力に精通した弁護士を紹介してくれる場合もあります。
 (その機関によります)
 あるいは、都道府県に「弁護士会」がありますので、「性的な被害で相談したい」と言って、
 適切な弁護士を紹介してもらいましょう。

(%緑点%) 被害者が子どもの場合
 加害者が親などの身内、教師の場合は、管轄の児童相談所に通告します。
 加害者が特定できない場合でも、もしも、子どもが被害を受けたことがきっかけで、
 外出をこわがったり、人を怖がったりする場合、
 被害を他人に話すことはためらわれる場合が多いと思いますが、
 学校と管轄の児童相談所に相談し、子どもの心のケアを受けると共に、学校生活への
 配慮
を求めましょう。
 担任の先生でなくても、養護教諭や隣のクラスの先生でも構いません。
 静かにそっと話を聴いてくださり、学校内で対応してくださりそうな先生に相談し、
 協力を求めましょう。
 子どもとの話の仕方はこちらをご参照ください。

(%緑点%) 日常生活に無理がある場合無理せず協力を求める 
 日常生活が全くできなくなる場合もあります。受けた被害のダメージからすると、当然のことです。
 一人でがんばらず、周囲の人に協力を求めましょう。
 その際、必ずしも被害事実を全て打ち明ける必要はありません。
 「今、体調を崩していて」「精神的に辛くて思うように身体が動かない」
 「今は話せないけれど、とても辛くて普通でいられないの」
 「あなたに話たいけれど、今は上手に話せない」など
 前置きをして、今は黙って協力だけしてもらえるようにするといいでしょう。

(%緑点%) 決してあきらめないで
 警察、相談窓口、カウンセラー、弁護士など、様々な専門家のご紹介をしましたが、
 どことも、万人に対して万全を尽くせるとは限りません。
 被害者との相性もあります。
 もしも、思うような対応が得られなければ、あきらめず、別の担当者、別の機関に
 相談してみてください。
 必ず、力になってくれる人と巡りあいます。どうぞ、あきらめないで。

 心の傷は、必ず恢復します。

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