中平です。2年生は「モンドリアンでマドリアン」という授業を行っています。
モンドリアンの絵って、一見、家の間取りに見えます。そこで生徒は、自分の家の間取りを元に抽象絵画? を制作します。この授業で大事なのは、モンドリアン作品をまねて制作することによる鑑賞的ねらいもあるのですが、技能面での「ポスターカラーのべた塗り」と「溝引き」を習得するねらいもあります。
中学校美術教育の現場では、以前まで(最近も)いわゆるポスターカラーのべた塗りや溝引きの学習は、デザイン領域のポスターの授業で行われてきました。ポスターカラー=べた塗り=ポスター制作、という当然すぎる授業形態があったのですが、最近の授業時数削減とポスター制作に関わるハードルの高さ(ほとんどの生徒は、ポスターは技能的にレベルが高すぎて完成しないことが多い)により、行う学校が減ってきています。
しかし、べた塗りや溝引き技法は是非教えるべき技法だと思いますので、ポスターほど高度な技能が必要なく、短時間で実践できる教材ということで、この「モンドリアンでマドリアン」という授業を行っています。
一見古めかしい内容ですが、べた塗りや溝引きは集中力を要し、ねらいや目的が単純明快なので中学生が取り組むにはちょうど良いと感じています。機械的作業には特に男子がはまりこむことが多いです。